これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

これが認知症なんだ (86) 家に帰る

<That's Ninchi Show No.86 > 認知症でも古い記憶は残っている。ただ、それを引き出す能力がないだけだ。 発病から三年以上になり、おばあちゃんは昔のことすら忘れてしまったと、家族は皆そう思っていた。昔のことを何度尋ねても答えがなかったから。 ま…

これが認知症なんだ (85) 記憶が戻った

<That's Ninchi Show No.85 > 認知症でも、発病前のように話ができることもあるんだ。 いつものように老人マンションのドアを開けると、またいつものように怒声が。 「何しに来たん?」 おばあちゃんは、この数週間ずっと機嫌が悪い。 「今日はシャンプー…

これが認知症なんだ (311) 介護拒否、時と人

<That's Ninchi Show No.311 > 介護拒否の理由は、たぶんいくつもある。 拒否の原因はいろいろあり複雑だが、大きくは二つに集約されるだろう。 一つは「本人の意思にそぐわない時」で、二つめは「本人の意思にそぐわない人」だと思う。 介護拒否の対処法…

介護拒否の理由

介護拒否に、理由はないのだろうか。 「考えるだけムダ、病気だから」ですませていていいのだろうか。 何事も原因があって結果があるはずだ。原因がわかってこそ、対処方法も考えられる。わからないまま、対症療法だけでは根本的な解決はない。 思うに、拒否…

これが認知症なんだ (84) 好物

<That's Ninchi Show No.84 > 認知症になっても、食べ物の「好き嫌い」は残っているらしい。 不思議と忘れないようだ。 好きな食べ物には、何か不思議なパワーがあると思う。 「できないと思っていたことが、好物を眼前にするとできる」というような。 こ…

これが認知症なんだ (83) 飲まない

<That's Ninchi Show No.83 > 認知症のせいだろうか。周りが勧めても、水やお茶を飲まない。 おばあちゃんは過去二回脳梗塞を起こした。血圧も高く、降圧剤を飲んでいる。そのことから、できるだけ水分を摂取したほうがいい。にもかかわらず、本人は意識的…

これが認知症なんだ (310) まぶしい

<That's Ninchi Show No.310 > 老人が昼間も窓のカーテンを閉める理由はいくつもあるようだ。 おばあちゃんの老人マンションは住宅密集地にあり、中層・高層マンションが隣接している。 が、歩道のある大きめの道路に面して建っているため、日当たりがいい…

これが認知症なんだ (82) 太ったな

<That's Ninchi Show No.82 > 認知症でも一年に一回しか会わない孫を覚えている。 記憶がどこまで残っているかは、よくわからない。普通の老人は、古い記憶ほど残っているというが、おばあちゃんは今では昔のことなど何もしゃべらないから、覚えているかど…

これが認知症なんだ (309) 行き着く先は

<That's Ninchi Show No.309 > 異常行動(BPSD)がなければ、認知症の介護はずっとずっとラクだろう。 身体的、経済的な負担もあるが、やはり精神的に一番こたえる。できればこんな姿は見たくないが、この状態では一人にできないから、見ないわけには…

これが認知症なんだ (81) 運がいい?

<That's Ninchi Show No.81 > 介護には暮れや正月はない。一年中休みなく、続く。 お正月は妹の家族も含めて、全員がおばあちゃんの老人マンションに集まる。発病前と同じように、毎年の恒例になっている。ヘルパーさんにも、この時くらいは休んでもらって…

これが認知症なんだ (80) 正月

<That's Ninchi Show No.80 > 介護には盆も正月もない。もちろん認知症老人にも、正月はない。 おばあちゃんの頭の中から「お正月」が消えてから何年だろう。実際は消えてないのだろうが、思い出すことがない。または、思い出すことができない。ないのと…

理解してもらえない

認知症老人の介護は誰にでもできるものではない。無理をしないとできない。 家族の苦労は世間一般の想像しているようなレベルでもない。はるかに超える。 そしてそれを当事者にならない限り、誰も理解してくれない。 どれだけ大変か理解されていないから、地…

これが認知症なんだ (308) 家族の気持ち

<That's Ninchi Show No.308 > 認知症老人の家族の気持ちは、なかなか理解してもらえない。 認知症を見たことがない人は言うに及ばずだ。世間一般の認識と認知症の実態とは、かなりの大きなずれがある。誰でも認知症の介護ができると思っているように。 認…

これが認知症なんだ (79) おどす

<That's Ninchi Show No.79 > 認知症でも「おどし文句」は忘れていない。流暢に出てくる。不思議なことに。 この三週間ほど、おばあちゃんは普段と比べて異常に異常だ。ちょっと前の「うつ」のような時のほうがマシと思われるくらいに、うるさく騒ぎ立てる…

平然、ゆったり、丁寧、これが理想だが・・・

認知症の人への対応は、次の三点が基本になるそうだ。 1.驚かせない 2.いそがせない 3.自尊心を傷つけない それからすると、家族が心がけることは、これ以外に次の三点が考えられる。 1.驚かない 2.いそがない 3.敬意を忘れない 驚かない(平然…

これが認知症なんだ (78) 時間

<That's Ninchi Show No.78 > 時間の感覚はどうなってるのだろう。認知症には「時間」はない? 毎週老人マンションにおばあちゃんが何十年も通っていた美容室の店長さんが来てくれる。入居前からシャンプーに通っていたので、頼んでこの三年間ずっとシャン…

これが認知症なんだ (77) パンツ式おむつ

<That's Ninchi Show No.77 > おむつをはくようになっても、洗濯の大変さは消えない。 いくらボケていても「おむつ」には抵抗があったのだろうか。それとも単に「変化が嫌い」という認知症の症状からか、用意してあっても、おむつをはこうとしない。 歩行…

余裕を持つ

心の余裕がないと、認知症老人の介護は難しい。 介護どころか、何もできない。「帰れ」と言われたり、たたかれたり、かみつかれたりする。「介護拒否」だ。何が気に入らないのか言ってくれないから、理由は不明。 余裕のない人がそばにいると認知症を悪化さ…

これが認知症なんだ (76) 出たくない

<That's Ninchi Show No.76 > 認知症と「ひきこもり」は似ている。外に行くのが嫌いなのか、面倒なのか。 老人マンションに入居する前は、炊事ができなくなってから毎日外食していた。近くだから一人で杖をついて行っていた。着替えもせず、家にいるときの…

これが認知症なんだ (75) 意志が強い

<That's Ninchi Show No.75 > 認知症老人は「ある意味」では強い。意志は固く、容易には曲げられない。 他人の意見がまったく頭に入ってこないせいかもしれない。言い出したら聞かない。 本当に扱いにくい。ケアマネージャーさんの話では、もう少し認知症…

胃ろう一人に五百万円?

胃ろうの医療費は年に一人400~500万円程かかるそうだ。それだけの年収のある人は今の時代は少数派なのだが。デフレの時代でも医療費は安くはならない。 胃ろうは手術費だけでなく、付けたあとも医療的ケアが必要で、継続して医療費はかかる。しかし、…

これが認知症なんだ (74) 入浴拒否

<That's Ninchi Show No.74 > 認知症の老人に言い聞かせる、そんな方法は何かないのだろうか。 やたらと吠えてうるさい犬を訓練する方法がある。訓練施設から帰ってきたら必要な時しか吠えない、いい犬になるらしい。犬でできるなら人間だってできるのでは…

これが認知症なんだ (73) 脳梗塞

<That's Ninchi Show No.73 > 脳梗塞の前兆に、主治医がなぜ気がつかなかったのか。 七年前からずっとおばあちゃんを診てきた医師である。老人マンションに転居後も特別に頼んで訪問診療という形で、この医師に月に二回診てもらっていた。 最初の脳梗塞が…

これが認知症なんだ (72) 介護力

<That's Ninchi Show No.72 > 「介護が楽しい」という記事を新聞で見たことがある。 介護士の養成コースの広告でも、「楽しい」と書いてあった。修了して現場にいる人の声として、楽しいし、やりがいがあると。 それは仕事だから。他人だから。勤務時間だ…

これが認知症なんだ (71) 笑えない

<That's Ninchi Show No.71 > 認知症だと笑えないのだろうか。写真を撮るときも、笑ってはくれない。 何年も、おばあちゃんの笑顔を見ていない。老人マンションに入居してまもない頃、喫茶室でひょうきんなおじいさんの話を聞いて、みんなにつられて笑って…

認知症だから・・・「できない」

認知症だから(付き添いなしでは)入院できない。 認知症だから(付き添いなしでは)点滴できない。 認知症だから(じっとしていないので)「MR I 検査」できない。 認知症だから(専門外なので、意思疎通が難しくて)嚥下トレーニングができない。 うちの…

これが認知症なんだ (70) エアーマット

<That's Ninchi Show No.70 > 二週間の入院で、褥瘡(床ずれ)という迷惑なオマケがついた。 寝たきりではない。食事は三日めには座って食べていた。手も足も動くから、寝返りだってできる。本人があまり動きたくないだけ。それでも、たった二週間で床ずれ…

これが認知症なんだ (69) 退院後どうする?

<That's Ninchi Show No.69 > 老人の入院は短いほうがいい。長びけば長びくほど認知症が進む。 おばあちゃんは入院するたびに、介護度が一段階づつ重度になった。できるだけ早く退院させたほうがいい。しかし、現実、退院して一人で大丈夫だろうか。そうい…

これが認知症なんだ (68) 脳検査

<That's Ninchi Show No.68 > 認知症だと、脳の「MR I」検査が困難な場合がある。 小さい梗塞はCTでは写らないらしい。「では、MR I を」と依頼して、医師に「認知症だと動くからできない」と断られたことがある。 睡眠薬を飲ませて眠らせて検査す…

これが認知症なんだ (67) 認知症だから

<That's Ninchi Show No.67 > 「認知症だから」という固定観念が病気の発見を遅らせる。そんなこともある。 いつもと違う、口数が少ない、食が細い、動きが悪いと思っても、認知症が一段階進んだせいだろうと、つい軽く流してしまう。そういうふうに、段階…