これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (70) エアーマット

<That's Ninchi Show  No.70 >
 
二週間の入院で、褥瘡(床ずれ)という迷惑なオマケがついた。
 
寝たきりではない。食事は三日めには座って食べていた。手も足も動くから、寝返りだってできる。本人があまり動きたくないだけ。それでも、たった二週間で床ずれができてしまうものなのか。それほど、身体全体の血流が悪いということだろうか。
 
ケアマネージャーさんから、床ずれ防止のために電動の介護用マットを使ったらと提案された。パンフレットもいくつか集めてくれたから家族で検討した。が、どれも高価だ。十万円を超えている。
 
単なる体圧分散エアマットではなく、自動でマットが動いて寝返りさせてくれる。効果もありそうだが、介護保険がいっぱいで一割負担の恩恵にあずかれない。全額自己負担では、レンタルでも一万円ほどになる。
 
いつも費用の問題がついてまわる。費用をかけれたら介護はずっと容易になる。それができないから悩みが出てくる。人手と費用と、両方ない場合は何もできない。
 
寝返りさせる機能のないエアマットは比較的安い。六、七万円だ。これにしようかと、ネットで評判や最安値を調べた。やはり情報は少ない。その中に、介護職の方の意見をみつけた。こういう実際に使用している現場の声があると、とても参考になる。
 
問題点は、エアマットはふあふあしていて、寝返りがしにくいし、起き上がりにくい。意識がないとか麻痺とかで寝たきりの人には適しているが、「座る、立つ」というリハビリ中の人には向かない。かえってリハビリを遅らせてしまう。
 
また、マットはウレタンでカビがはえやすく、エアーポンプの調整も難しいらしい。
 
そういう理由で、エアマットをやめて低反発マットに替えた施設もあるそうだ。低反発なら、体圧分散の効果は同じだろうし、二万円ぐらいで買える。これもウレタンだから湿気とカビの問題は残るが。
 
低反発マットを買うことにして、床ずれの薬は訪問診療の先生に出してもらうように依頼した。皮膚科に連れて行かずに。内科以外でも、一般的な薬は処方してもらえる。眼科の白内障予防の点眼薬も出してもらえた。
 
床ずれは、しばらくしてほとんど治った。ヘルパーさんやケアマネージャーさんが一日に何回も見に来てくれ、寝返りさせてくれたおかげだ。
 
本人は「ありがとう」も言わない、それどころか文句や泣き言しか言わない。それなのに、毎日毎日、親身に世話をしてくれて本当にありがたい。介護は「ひと」、「ひと」によって差がつく。