これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (83) 飲まない

<That's Ninchi Show  No.83 >
 
認知症のせいだろうか。周りが勧めても、水やお茶を飲まない。
 
おばあちゃんは過去二回脳梗塞を起こした。血圧も高く、降圧剤を飲んでいる。そのことから、できるだけ水分を摂取したほうがいい。にもかかわらず、本人は意識的に飲もうとしない。わけを聞くと、「トイレに行くのが大変だから」と言う。
 
うそばっかり!おむつをはいているのを忘れている。それも一日に何枚も。一人で自力でトイレに行っていたのは、はるか昔だ。この一年以上はいつもヘルパーさんに介助してもらっている。
 
ベッドから立ち上がる、トイレまで歩く、便器に座る、一連の動作すべて、ほとんど自分の力を使うこともなく、ヘルパーさんにおまかせだ。
 
少しは介助者のことも考えて、自分の身体を支えるぐらいの力を出してもよさそうなものだ。寝てばかりで筋力が衰えて、座っている姿勢を保つことすらできない。
 
ずるずると右や左に傾く。介助者はずっと支え続けねばならない。
 
そんなことも忘れているようだ。ついさっき食べたばかりの昼食のメニューを覚えていないのだから、何もかも忘れているのだろう。しかし、本当にそれだけだろうか。
 
本人の言うことにとらわれてはいけない。認知症なのだから。
 
違う観点で見ると、飲まなくなったのは老化による嚥下障害ということも考えられる。「飲まない」のは「飲めない」から、または「飲みにくい」からかもしれない。
 
認知症でなければ、「飲みにくくなった」と周囲に知らせることができるが、今では自分の状態もわかっているかどうかで、わかっていても誰かに伝えることが難しい。
 
難しいというより、その能力がない。伝えるには記憶力も言語力も必要になる。
 
飲もうとして、何回も気管に入って咳き込む。すると、苦しいのがいやで、もう飲もうという気がなくなる。それで飲まなくなったのかもしれない。とろみを付けると飲みやすいらしい。
 
介護用の「粉末とろみ」を売っているから、試してみようかと思う。