これが認知症なんだ (310) まぶしい
<That's Ninchi Show No.310 >
老人が昼間も窓のカーテンを閉める理由はいくつもあるようだ。
おばあちゃんの老人マンションは住宅密集地にあり、中層・高層マンションが隣接している。
が、歩道のある大きめの道路に面して建っているため、日当たりがいい。
秋晴れの日など、部屋の中でひなたぼっこできる。老人にはうってつけだろう。
それなのに最近いつも「カーテン、閉めて」と頼まれる。開けると機嫌が悪くなる。理由はというと、「まぶしいから」と言っていた。
「年をとるとまぶしい」と自分で分析までしているが、そうだろうか。
老人は光が苦手なのだろうか。聞いたことがないが。強い光は苦手だろうが、レースのカーテン越しの秋の日光が、耐えられないほど強いとは思えない。
白内障を調べてみると、物が二重に見えるという症状の他に、「まぶしい」というのもあった。
また、老化によっても、目の調節機能が衰えて「光がまぶしく」なるそうだ。
瞳孔の調節機能がおかしくなるのだろうか。
光の強さ、明るさの度合いによって瞳孔の開き具合を調節するという、その働きをしている脳の部分が壊れてきた、それでだろうか。
以前にもこういうことがあった。一日中、カーテンを閉めきっていた。
そのときはそれだけでなく、「殺される」のをおそれて、頭から布団をかぶって隠れていたものだ。
そのわけは「怪物が入ってくる、殺される」という妄想だった。その怪物はエアコンの送風口からも侵入できると言って、エアコンもこわがって使わなかった。
この妄想はしばらくして消えたのだが、また新しい妄想でも出てきたのだろうか。突然まぶしくなったのは、なぜだろう。
急激に白内障が進んだのだろうか。
長いこと、眼科に連れて行っていない。点眼薬は訪問診療の先生に出してもらっているが。とにかく「どこにも行きたくない」という人なので、通院は困難だ。
妄想なのか、白内障なのか、脳の老化なのか、はっきりさせないといけない。