これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (339) 長谷川式スケール

<That's Ninchi Show  No.339 >
 
認知症のレベルがどの程度なのか、素人にはわからないものだ。
 
専門の医師や介護職の人は違う。過去から現在まで多くの認知症患者を見てきたという経験がある。その経験に照らして「この程度なら」という目安がつけられる。
 
長谷川式テストでわかるかというと、そうでもない。30点満点で、20点以下は認知症の疑いがあるとされるが、初期の場合は認知症でも高得点をとることがある。
 
うちのおばあちゃんがそうだ。徘徊が数回、警察や消防への「妄想電話」も数回あり、明らかに様子が変だったのが、専門医の診断は「認知症かどうか不明」だった。
 
長谷川式のテストでは27点、当時は要介護1、排泄も食事も着替えも入浴も一人で可能(自立)だった。医師の前ではいつもよりはきはきと答えていたからだろうか。
 
その一年後のテストでは、17点だった。要介護2、パンツ式オムツでトイレ一部介助、食事は自立、着替えは拒否(介護拒否の始まり?)、入浴は一部介助。
 
その翌年は要介護3、パンツ式オムツでトイレ全介助、食事は自立、着替えは拒否、入浴拒否(入浴全介助)。この状態が二年間継続している。幸いにも。
 
「外出拒否」があり、専門医に連れて行くのも困難なため、長谷川式テストは受けていない。テストしたら得点は一桁、7点とか8点ではないだろうか。
 
この一例だけを見れば、要介護度と長谷川式テストの得点は比例している。おばあちゃんは脳血管型とアルツハイマー型の複合型だが、他のタイプではどうだろう。
 
調査データがあるのかもしれないが、素人の目には届かない。認知症のレベルや進行経過など、家族として知りたい情報は手の届くところにはない。
 
2008年に老人マンションに入居して今年は五年めとなる。どこにいるのか、周りにいる人は誰なのかわからなくなったら、老人ホームに移そうと当初は考えていた。
 
認知症を知らないとそんなことを思ってしまう。そんなに簡単には症状は進まない。要介護4や5でも、わかっている人はわかっている。
 
最初から「終の棲家」となるところに入居するべきだったと今は思う。老人マンションにすっかり慣れて「わが家」だと思っている今、転居などできないから。
 
老人マンションは施設介護ではなく在宅介護だから、どこまで対応してもらえるのか、先のことは不安がある。いつ「もうお世話できません」と言われないかと。
 
認知症の進み方を知らないと、こういう失敗をしてしまう。マニュアルがあったらよかったのに、誰か周囲に教えてくれる人がいたらよかったのにと思う。
 
認知症になるとは思っていなかったから、事前に何の情報も集めていなかった。そんな自分のいたらなさを嘆く。「知っていたら」もっと違った今があっただろう。