介護拒否の理由

介護拒否に、理由はないのだろうか。

「考えるだけムダ、病気だから」ですませていていいのだろうか。

 

何事も原因があって結果があるはずだ。原因がわかってこそ、対処方法も考えられる。わからないまま、対症療法だけでは根本的な解決はない。

 

思うに、拒否するのは、自分でできることが少なくなってからだ。誰かにやってもらうことばかりで、自分の都合（意思）に関係なく物事が動くのが気に入らないのでは。

 

お風呂に入りたいときに入る、食べたいときに食べる、トイレに行きたいときに行く、着替えたいときに着替える、飲みたいときに飲む、それができないから。

 

食べたくないと言うのに「食事介助の都合で」食べさせる。

お風呂はイヤだと言うのに、「週二回の入浴介助」の時間だからと、入浴させる。

苦労して、なだめすかして。

 

本人が「お風呂に入りたい」と思うときまで待つことができればいいが、介護する方の都合がつかない。認知症でなければ、相手の都合を思いやれるのだが。

 

認知症老人は相手のことなど考えられない。ガマンもできない。そこを無理やりガマンさせてお風呂に入れるのはどうなのだろう。

 

今まで長いことガマンしてきたのだから、もうガマンをせず、好きなことだけをして過ごすと言う老人もいる。先が短いのに、ガマンをしいるのはどうか。

 

介護拒否するなら、介護しない。それが本人にはいいのだろう。が、そうすると介護放棄になってしまう。難しい問題だ。