これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (71) 笑えない

<That's Ninchi Show  No.71 >
 
認知症だと笑えないのだろうか。写真を撮るときも、笑ってはくれない。
 
何年も、おばあちゃんの笑顔を見ていない。老人マンションに入居してまもない頃、喫茶室でひょうきんなおじいさんの話を聞いて、みんなにつられて笑ってたあの時が最後だ。2008年9月、それ以来まったく笑わない。
 
お正月、いつも家族がおばあちゃんの所に集まる。子、孫、ひ孫まで。認知症になる前は、長生きしてひ孫の顔を見ると言って、楽しみにして待ち望んでいた。それなのに、ひ孫に会っても、まったく笑顔がない。少しもうれしそうにない。
 
せっかくだから皆で写真を撮ろうと、おばあちゃんに座ってもらった。が、筋力がなくなり座っているのもしんどいらしい。いやそうな顔。すぐにベッドへ行って横になる。
 
ほとんど寝たきりの毎日だ。それが、どんどん筋力低下を招いている。が、本人はそんなことおかまいなし。食事の時以外は、寝てすごす。
 
「写真を撮るから笑って」と言っても、まったく言うことを聞いてくれない。まさか笑い方を忘れてしまったのだろうか。赤ちゃんでも生まれてすぐに笑うことを覚えるのに。
 
笑顔をつくることが、そんなに脳を使うとも思えない。生後一ヶ月の赤ちゃんができるぐらいだ。しかし、犬や猫は笑わないから、もしかしたら高いレベルの脳の働きなのかもしれない。サル山の猿だって、笑っているのは見たことがないから。
 
おばあちゃんの写真は、どれも無表情な「お面」のような顔で写っている。おこった顔でないだけマシで、一緒に写っている”ひ孫”が成長してこの写真を見たら「こわいおばあさん」と言うかもしれない。
 
 注: 2008年以後、一回だけ笑ったことがあります。歯科の訪問診療に来てもらって、虫歯が治ったときです。
   直接見てはいないのが残念、聞くところでは、治った歯を鏡で見てにこにこしていたそうです。