これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

施設に文句を言いたくても

介護施設に対して、「こうしてほしい」とか「これはやめてほしい」とか、要望や改善点の指摘ができれば、介護施設はもっとよくなるだろう。 「いつでもご意見を」と施設側は言ってくれるが、家族としては、言えることと言えないことがある。「うちのおばあち…

これが認知症なんだ (66) 点滴

<That's Ninchi Show No.66 > 認知症の老人は点滴をするにも付き添いがいる。抜いてしまうから。 入院患者の場合は、家族にことわって、身体拘束という手がある。鍵のかかった、ミトン(なべつかみ型の、分厚いもの)を片手、または両手にはめると、点滴を…

これが認知症なんだ (65) 問診不能

<That's Ninchi Show No.65 > 認知症だと、具合が悪くても自分の症状すら言えない。医師も診断に困る。 老人マンションには、月に二回、契約した医師の訪問診療がある。インフルエンザの予防注射もその時に打ってもらう。前もって予診表は書いておく。本人…

これが認知症なんだ (64) こだわる

<That's Ninchi Show No.64 > 認知症になると、こだわりがなくなる。が、すべてではない。 おばあちゃんは以前は神経質なくらい、きれい好きだった。それが、発病後は、顔も洗わないし、トイレのあとも手を洗うかどうか。 お風呂だって、つかるだけ。少し…

これが認知症なんだ (63) カレーライス

<That's Ninchi Show No.63 > 老人でもカレーが好きな人が多いらしい。介護食でも人気メニューなのだろう。 老人マンションの食堂でも、かなりの頻度でカレーが出る。老人用だからそんなにスパイスはきいてなくて、お子様カレー程度だろう。が、おばあちゃ…

脳が作る世界

認知症とかかわって、脳の機能について考えるようになった。 思ってもみなかったことだが、見る、聞く、味わうなどの五感は、すべて脳の仕事だ。だから、脳が壊れていたら、実在する物とは全く違う形でとらえられてしまう。 目で見えているようには、認知症…

これが認知症なんだ (62) 着替え

<That's Ninchi Show No.62 > 認知症が出てから着替えるのが嫌いになった。着替えさせてもらうのもイヤと言う。 以前はお化粧や衣服にはお金を惜しまない、きれいでおしゃれな人だったが、発病してからは、まるで別人だ。老人マンションに入居前、自炊でき…

これが認知症なんだ (61) 特養見学

<That's Ninchi Show No.61 > 特養(特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設)のどこが「特別」なんだろう。 「認知症」という病名も、わかりにくい。「認知できない症」のほうがふさわしい。 「特養」もわかりにくい。他の「有料老人ホーム」とどう違うの…

これが認知症なんだ (60) 認知症とは その2

<That's Ninchi Show No.60 > 認知症について、もう一つ大きな誤解をしていた。当事者になる前は。 家族は介護や精神的ショックでつらいが、認知症になった本人は記憶がなくなるなら、嫌な記憶が消え、赤ちゃんの時のように、何もつらいことがなく、何も悩…

これが認知症なんだ (59) 個人差

<That's Ninchi Show No.59 > 老化に個人差があるように、認知症の個人差も大きい。 世間一般では、あまりこのことは知られてないようだ。介護・医療関係者以外は、たぶん、当事者になるまでは気がつかない。病状だけでなく、病気の進み方も個人差がある。…

これが認知症なんだ (58) おむつ証明

<That's Ninchi Show No.58 > 介護用おむつは、医療費控除できる。 ただし、医師のおむつ使用証明書、使用者の姓名を明記した領収書が必要。 どうしてこんな面倒なことを言うのだろう。控除したくないのかと思ってしまう。 ここ数年、所得税の改定以降は、…

喪失感の克服

認知症を発症してから後は、毎日毎日「できなくなること」が増えていく。それが当然なんだと、誰でもみんなそうだから、そんなことで動揺してはいけないとは思う。 わかってはいても、いつも「こんな姿を見たくなかった」と思い、老人マンションに行く日は心…

これが認知症なんだ (57) おむつ

<That's Ninchi Show No.57 > 認知症が進むと歩けなくなる。「歩く」という動作も脳を使っているから。 老人マンションに入居するとき、おばあちゃんは、「まだ歩けるから養老院に行くのは早い。」と言って、なかなか入居を承諾しなかった。 本人の考えで…

これが認知症なんだ (56) 何の日?

<That's Ninchi Show No.56 > 認知症老人の頭にはカレンダー(月日)がない、季節もないかもしれない。 いつまでカレンダーがあったのだろう。発病(異常行動が出たとき)の年は、少しは時間や月日の感覚があったようだ。年末になり正月が近いという感覚が…

これが認知症なんだ (55) 認知症とは

<That's Ninchi Show No.55 > 認知症とは?情報で得られる認識と、実態とは大きな乖離がある。 見ると聞くとは大違いというか、実際に認知症老人の家族になるまでは、関連の知識不足もあり、わずかな情報だけで、大きな誤解をしていたことに気がついた。 …

これが認知症なんだ (54) 告知する?

<That's Ninchi Show No.54 > 本人に、認知症だと伝えるほうがいいのだろうか? 状況によっては。 おばあちゃんは、二回、認知症専門医の診察を受けた。どちらも本人を前にして、医師は「認知症」という言葉を何回も口にしていた。何の配慮もなく、普通に…

これが認知症なんだ (53) 専門医

<That's Ninchi Show No.53 > 認知症の専門医でも、診断は難しいことが多い。初期は特に。 老人マンションに移って一年、ケアマネージャーさんから提案があった。市民病院の専門外来におばあちゃんを連れて行ったらどうかという。 家族がどうしても無理な…

デイサービスとデイケア

デイサービスについて前回、通所介護と通所リハビリはどこが違うのか、外からではよくわからないと書いたが、呼び方で区別をつけているようだ。 デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリ)というように、区別があるらしい。もとの英語ではどちらも…

これが認知症なんだ (52) 新薬の情報

<That's Ninchi Show No.52 > 認知症は治療できるのだろうか。個人差があり過ぎて一概に言えない。 二年半ぐらい前(2009年)のことだが、いつものように薬局におばあちゃんの薬をとりに行くと、店主から、「そろそろアリセプトを使ってみたら?」と勧…

これが認知症なんだ (51) お薬カレンダー

<That's Ninchi Show No.51 > 認知症だと、朝食を食べるのを忘れるくらいだから、薬など・・ おばあちゃんは、高血圧のため若いころから降圧剤を飲み続けている。年とともに、あちこち悪くなり、毎日飲む薬は増えたが、文句を言いながらも、毎食後きっちり…

これが認知症なんだ (50) デイサービス その4

<That's Ninchi Show No.50 > 「通所介護」とはデイサービス、では、「通所リハビリ」とは何? 老健(介護老人保健施設)の建物の入り口に、「通所リハビリ」という表示もある。リハビリ施設だということだろうか。そんなふうには少しも見えないが。 介護…

これが認知症なんだ (49) デイサービス その3

<That's Ninchi Show No.49 > デイサービスに行くのが楽しい老人もいる。性格や考え方による。 おばあちゃんは、好きなものしか食べず、一人暮らしのため食べたり食べなかったりもあり、とうとう栄養不良で立ち上がれなくなったことがある。 入院して栄養…

これが認知症なんだ (48) デイサービス その2

<That's Ninchi Show No.48 > デイサービスに行かなくなるのは、理由がある。 数年前、おばあちゃんは一回目の脳梗塞で市民病院に救急車で運ばれ、数週間ベッドで過ごした。回復しても以前のようには歩けないから、リハビリ病院に転院し、二週間後に帰宅し…

これが認知症なんだ (47) 入浴

<That's Ninchi Show No.47 > いくら老人でもお風呂は・・・ 老人マンションに移る前は、おばあちゃんは誰か家族が来たときに、お風呂に入っていた。湯船は低いタイプで、手すりも二本つけ、介護用お風呂椅子も二台買ってあるから、一人ではいれる。ただ、…

漢方薬はもっと慎重に

近年、認知症患者への抑肝散の投与が増えているが、調べてみると濫用について警告している人もいる。安易に使われている現状をおかしいと思う人もいるようだ。 現状、日本での漢方薬の使われ方は本来の使われ方ではないから、安易に広く使われると、いろんな…

これが認知症なんだ (46) デイサービス

<That's Ninchi Show No.46 > デイサービス(通所介護)は、お風呂に入れてくれるところがいい。 たとえ元気で、認知症が出てなくても、老人がひとりで入浴するのは危険がある。一人暮らしの場合は、常にお風呂での事故が気がかりだ。本人も、家族も。 お…

これが認知症なんだ (45) 脱走可能

<That's Ninchi Show No.45 > 施設の職員はいつも忙しい。歩ける老人は、隙をみて自由に歩きまわる。 老健(介護老人保健施設)に入所して一週間が過ぎたころ、突然おばあちゃんから電話がかかった。「すまないけど、いくらかお金を送ってくれる? 月末だ…

これが認知症なんだ (44) 老健入所

<That's Ninchi Show No.44 > あわてて事を運ぶと、問題が続出する。何でもそうだ。事前準備がないと。 老人一人、四十になっても独身の息子一人。そんな家族では、どちらか一人が病気になったら、たちまち困る。どうするか考えておくべきだった。が、楽天…

これが認知症なんだ (43) 入所申込

<That's Ninchi Show No.43 > 老健の申し込み書の記入は、最初は時間がかかる。知識がないと。 一般的に言えることだが、各種の提出書類はだいたい受け取る側の都合のいい形式で作られていて、記入する側への配慮がない。 専門用語がやたら多い。自分たち…

これが認知症なんだ (42) 朝食

<That's Ninchi Show No.42 > 朝食を食べたことすら、数分後に忘れる。それが認知症なんだ。 老人マンションに入居して数ヶ月の間、おばあちゃんは自分で朝食の準備ができていた。食後の洗い物も自分でしていた。自宅にいた時のように。 冷蔵庫から冷凍し…