脳が壊れるとは
シャツの上下がわからない、そんなことがある。 服を「裏表に着る」とか「後ろ前に着る」とかは普通の人でもよくあることで、驚くようなことではない。 裏返したままだったり、デザイン的に前後の区別がつきにくかったりで、急いでいる時などに普通に起こる…
レム睡眠行動障害というのが最近注目されている。 パーキンソン病やレビー小体病(レビー小体型認知症)の初期に現れる病変だという可能性があるそうだ。 レム睡眠というのは「睡眠時に眼球が動いている状態」を指し、目の動きに合わせて夢を見ているらしい…
味覚も実は「脳が作っている」のだろうか。 脳機能障害により「幻視・幻聴」が現れることから、視覚や聴覚に関しては脳が大いに関わっていることが知られている。 見えるのは脳が作って見せてくれているわけで、聞こえるのも同じく脳が作成した音を聞かせて…
豊田議員の怒鳴り声に世間は驚いている。 しかし、うちの家族の反応は世間とは少し違っているようだ。 最初は「何だ、この人は」と家族一同驚きもしたが、 その怒鳴り声、なじみがあるというか、何度も聞いたような感じで、 つまらないことで激怒するという設…
脳には自動作成機能があるらしい。 今見ている光景だって100%現実そのものではないという。一部は脳が過去の画像データを使って作成したものだそうだ。 散歩している時、歩く速度に合わせて眼前の光景が変わるが、このためには一瞬のうちに多くの画像処理が…
原因不明の発熱も、「脳が壊れたから」だろうか? うちの親(85歳、胃ろうで寝たきり)は二年ほど前から一般の老人ホームに入所している。 その前はサ高住(サービス付高齢者住宅)にいたのだが、胃ろうを付けてからは何度も感染症にかかり熱が出ていた。 お…
「両手をそろえて前に伸ばす」だけでわかることがある。 高齢の親の脳検査に付き合った人は知っていると思うが、脳神経外科では問診時に「両手を前に出して・・」と言われる。 手のひらを上に向けて、両手を前に伸ばし、肩の高さまであげる。 その後、医師に「…
脳が壊れるとどうなるか、わからないから困る。 認知症は「脳機能障害」だが、「障害」という言葉で何を想像するかというと、普通「~できない。~しにくい」だろう。 ところが「脳機能障害」には、機能の低下だけでなく、亢進もある。 脳の特定部分の機能が…
睡眠時の異常行動も認知症と関係がある。 「寝ぼけ」と「老人ぼけ」、似たところがないわけでもない。キーワードは脳、子供の夢遊病も脳が未発達なために起きるという。 以下はご近所の人に聞いた話だ。ここ数年に二回、ご主人(58歳)に睡眠時(就寝中)の…
見えているものが見えず、見えてないものが見える。 認知症の人の「視覚」は実に不思議だ。目の前にある物が見えていないのに、誰にも見えない物(または者)が見えていることがある。 誰もが当然見えていると思うモノが見えてなくて、誰にも見えていないモ…
細胞は最期に輝くらしい。赤や緑の光になるそうだ。 先日、テレビニュースを見ていて、気になった言葉があった。「細胞が死ぬ時に光を出す」ということだ。細胞死の自家蛍光というらしい。 小保方さんはそれを見て「大発見」だと勘違いしたようだ。取材陣を…
「妻を帽子とまちがえた男」という題名の本がある。 こんなことがあり得るだろうか。人間と「帽子」とが同じに見えるだなんて。とても信じられない。そんなことが現実にあるとは。 脳障害の実例だそうだ。奥さんに付き添われて、愛用の帽子をかぶって診察に…
同時に二つの異なる動作ができる・・のは普通の人だ。 認知症などの脳障害があるとそれが難しい。だから、「計算をしながら歩く」というような訓練が認知症予防になると言われ、実践されている。 家族や親しい人と食卓を囲んで談笑しながらの食事というもの…
暑かったらエアコンを入れる、のは普通の人。 認知症の人は「暑くてもそのまま」ということが多い。「エアコンの操作方法がわからなくなった」場合と、「暑いと感じない」場合とがある。 また、「家族の誰かがとっくにエアコンを稼動させているはず」とか「…
認知症の人は「何の理由もなく」怒り出すように見える。 そう見えているだけで、実は本人の頭の中にはちゃんとした理由があるらしい。本人しかわからない理由が。家族には想像もつかない理由が。 いつも身構えていないといけない。突然どなられるし、激怒し…
「号泣議員」を見れば認知症がわかる。 この何日間何回もテレビで映された「号泣会見」を見ると、認知症の人(脳の壊れた人)の様子がよくわかる。そう思った人は多いことだろう。 そこには次の特徴がよく現れている。はっきりとした形で。 認知症の人は、 …
認知症は人格崩壊があるという。 全く別人のようになると、それだけでも家族としてはつらい。「おばあちゃんはもうどこにもいない」という事実を認識させられるわけで。 いつの間にか消えた。きれいでやさしくて、ほがらかで上品で、器用で何でもうまくこな…
体温の調整、それも脳の働きだ。 世間一般の認識では、認知症は「記憶障害」だけが知られていて、それ以外は何も不具合がないかのように誤解されているように思う。 記憶障害だけならば、治療不能であってもそれなりに寿命を全うすることができるから、本人…
認知症だとわかりにくい人もいる。 「身だしなみを気にしない」「部屋が散らかっている」「ゴミが捨てられていない」など、いくつか「こうなったら認知症を疑う」という条件がある。今ではよく知られている。 しかし、「もともと、そういう性格で、そんな生…
認知症が進むとどうなるか、誰でも気になる点だ。 何日か前の新聞で見たのだが、犬と一歳児には共通するものがある。 「犬は特別運動能力の高い一歳児と考えたらいい。一歳児と同様に時間の感覚がないから、いつまででもご主人を待っている」そうだ。 「時間…
ヒトはサルと同じく群れで暮らす動物だ。が、人間にもいろんな人がいて、中にはつきあいにくいタイプもあり、そういう人と同じ集団にいるとストレスが増える。 それに比べて「自分と同じ」はラクだ。意見や行動などで衝突することが少なく、ストレスも少ない…
「これが」でなく「これも認知症」、認知症はいろいろだ。 「これが認知症だ」と決めつけるのはよくない。症状も異常さの具合も、進み方も各自違うからだ。そういう意味では、認知症介護の経験は「次の時」に役に立たない。 ただ、経験がムダかというと決し…
かたづけてあげても、認知症の人には喜ばれない。 親切で整理してあげても、認知症の人にとっては「迷惑」な場合が多い。物の位置が変わると(いつもの場所にないと)頭が混乱してしまう。パニックにもなる。 特に「引き出しの中にしまう」など、見えなくす…
認知症になると孤独になる。友人が離れていくからだ。 何十年ものつきあいでも同じだ。友人がガマンして会いに来てくれたとしても、本人が顔を見るなり「さようなら」と言ったり、「もう帰って」と言ったりする。 体調が悪くもなく、友人を追い返すような理…
眠り過ぎると脳の活動時間が減る。長い昼寝はよくない。 そういう意味では、「昼寝が長いと認知症になる」というのはあたっている。脳を使えば使うほど「脳力」は保たれるし、使わなくなると筋肉と同じように「脳力」もおちる。 では、「認知症の人は昼寝が…
認知症が進むと食べなくなるという。不思議なことに。 「食べる」ということ、そのものが思い出せない、食べるという行為を忘れてしまった、そういうことだろうか。これだけは実際に目にするまでは信じられないことだろう。 動物にとって「食べる」ことは「…
認知症を知ることは、人間を知ることだ。 脳が少しづつ壊れていく様子を見ていくと、脳の成り立ちがわかる。壊れた機械を分解してみて、「そうか、こうなってたんだ」とそのメカニズムがわかるのと同じだ。 親が認知症になって苦労ばかりで何も得ることはな…
海馬が痩せていると典型的なアルツハイマーだと言われる。 アルツハイマー病の原因となるアミロイドベータという蛋白質は、高齢になると誰でもある程度脳に蓄積するらしく、これが蓄積していても認知症の出てない人がいる。 撮影すると脳の表面に見える老人…
自分というもの、自我、心、魂のありかはどこかというと・・・ 脳の特定部分にあるのではないらしい。心というものは脳細胞のネットワークで形成されると考えられているようだ。今の脳科学ではそこまでだ。 いくつもの脳神経細胞が連携して、情報伝達を行う…
認知症によるバランス障害が笑顔を消した。 認知症は脳の壊れる部分によって現れる症状が違う。多種多様、個人それぞれで、一人として同じではない。もちろん共通部分(認知記憶障害)はあるが。 うちのおばあちゃんだけを見ていたら「認知症は笑えない」と…