これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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睡眠時の異常行動は脳障害と。。。

睡眠時の異常行動も認知症と関係がある。

「寝ぼけ」と「老人ぼけ」、似たところがないわけでもない。キーワードは脳、子供の夢遊病も脳が未発達なために起きるという。

以下はご近所の人に聞いた話だ。ここ数年に二回、ご主人(58歳)に睡眠時(就寝中)の異変があったそうだ。

一回めは「布団から出て押入れを開けて、しゃべる」というもの。

真夜中にむくっと布団から起き上がって、押入れの前まで歩き、押入れの戸を開け、大声で「誰? 誰かいるの?」と問いかけた。

奥さんがびっくりして「どうしたの?夢でも見たの?」と聞くと、
「隣の部屋で話し声が聞こえたので、気になって」と言う。

夢の中では押入れの戸は「隣の和室の襖」だったらしい。現実には和室は一部屋しかないが、夢では二部屋続いて和室。

二回目は「突然ベッドから落ちて頭を打つ」というもの。

真夜中(午前二時ごろ)、就寝中に突然ドシンという音がして、奥さんが目を覚ますと、ご主人がベッドの脇に転がっていたそうだ。

ベッドから転落して、頭を打ったらしい。和室だから、畳の上に落ちたので少しはマシだっただろう。

本人に話を聞くと、夢の中でマンションの外玄関オートロックのドアを開けて、一歩前に踏み出したら、ドシーンと転落したという。

夢で、大荷物をカートに載せて運ぼうとしている人を玄関ドア付近で見かけたので、代わりにドアを開けてあげようとしたそうだ。

左向きで寝ていて、ベッドの左側に転落した。夢で、右手でドアを押して、一歩前に身を乗り出したという体勢そのままで。

ドシンいう音と痛みで目が覚めたら、そこは畳の上。
本人、さぞ驚いたことだろう。

これはレム睡眠行動障害というらしい。

夢を見るのはレム睡眠(脳は働いているが身体は休んでいる)の時で、本来なら夢の内容に合わせて身体が動くことはない。

「金縛り」は「手足が動かない、声も出せない」状態だが、これは「脳は活動しているが身体は動かない」というレム睡眠で説明できる。

何らかの理由(脳機能障害など)で筋肉など身体の活動の抑制が不十分になると、夢の内容のまま叫んだり身体を動かすことがある。

こういう睡眠行動障害は脳の未発達な子供に多いと思われているが、五十歳以上の中高年男性に特に多いらしい。

急性と慢性に分けられ、急性レム睡眠行動障害の原因は薬物中毒。

慢性の場合、最も多いのは「突発性」で原因不明だそうだ。
その他の原因は以下:
1.神経変性疾患の初期症状   パーキンソン病
                レビー小体型認知症、他
2.脳血管障害
3.炎症性疾患
4.ナルコレプシー(過眠症)、ミトコンドリア脳筋症、他

中高年に多い理由は、脳の加齢変化によって神経伝達障害が起きたところにストレスや不安感などが加わって起こるからだという。

ストレスが多いと酒量も増えるので、それも発症を後押しする。

ご近所の奥さんには「脳検査してみたら? 頭をぶつけたから心配だと言って本人に勧めてみては?」と言ったのだが、

本人が嫌がるので、だめだったそうだ。念のためベッドの周りに三つ折マットレスを置いて転倒に備えているという。

脳のMRIをとれば、簡単に脳の萎縮や脳梗塞の危険性がわかるのだが、やはり誰でも抵抗があるのだろう。

若年性認知症でなければいいが、もしそうなら早めに手を打ったほうがあとあとのためだが、そこまで言ってあげるべきだろうか。

受けてみたら「何だ。こんなものか」という検査だ。

MRIは30分ほど「じっとして、騒音をガマンする」だけで注射も服薬もないし、脳波の測定は心電図検査とほぼ同じだ。

だが、どんなに簡単で苦痛がない検査だと説明しても、脳検査というだけで「絶対に嫌」という人もいるから。

「あの時、検査しておけば」ということにならなければいいが。


                                <That's Ninchi Show 2 No.1088>