家一軒の価値と認知症介護と。。。
認知症介護を甘く見ていると後悔するかもしれない。
認知症問題が毎日のように報道されていても、実際に体験しないと、「記憶力の低下した老人の世話」としか思っていない人もいる。
まだまだ世間の多くの人は理解が足らない。甘く見過ぎている。
認知症介護の経験者の多くが「これほどとは思わなかった」というほど、その困難さは想定外のレベルで、限度を越えているものだ。
最近、うちの隣の家族が引越して行ったのだが、聞くと「実家が二世帯住宅を建ててくれたので」三世代同居にふみきったそうだ。
お隣の奥さんには弟がいたはず。たずねてみると、「弟夫婦も了承してる。親にしたらお嫁さんの世話になりたくないから」との答えだ。
嫁には遠慮があるが、実の娘との同居なら気兼ねがない、ということ。
ゆくゆくは家も土地も譲られるとしても、それに値する以上の労働になることもある。認知症を発症したら、二人とも発症したら。
それを言うと「その時はその時よ」と笑っていたが、この人も「自分の親だけは認知症にならない」と思っているのかもしれない。
「家をもらえるが、認知症の介護が付属」と「家の相続は放棄するが、介護しなくていい」と、どちらを選ぶのがトクだろうか。
このお隣さんが同居することになって、弟さんの奥さん(長男の嫁)は安心したことだろう。長男の嫁の義務から解放されて。
家一軒どころの苦労ではない。認知症を甘く見ると必ず後悔する。
なぜ世間の理解が昔のままなのか、そこが不思議だ。
<That's Ninchi Show 2 No.1089>