これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

家一軒の価値と認知症介護と。。。

認知症介護を甘く見ていると後悔するかもしれない。

認知症問題が毎日のように報道されていても、実際に体験しないと、「記憶力の低下した老人の世話」としか思っていない人もいる。

まだまだ世間の多くの人は理解が足らない。甘く見過ぎている。

認知症介護の経験者の多くが「これほどとは思わなかった」というほど、その困難さは想定外のレベルで、限度を越えているものだ。

最近、うちの隣の家族が引越して行ったのだが、聞くと「実家が二世帯住宅を建ててくれたので」三世代同居にふみきったそうだ。

お隣の奥さんには弟がいたはず。たずねてみると、「弟夫婦も了承してる。親にしたらお嫁さんの世話になりたくないから」との答えだ。

嫁には遠慮があるが、実の娘との同居なら気兼ねがない、ということ。

しかし、認知症の発症適齢期でもある後期高齢者の両親と同居すれば、家賃は無料でも、介護という無償労働が必ず付いてくる。

ゆくゆくは家も土地も譲られるとしても、それに値する以上の労働になることもある。認知症を発症したら、二人とも発症したら。

それを言うと「その時はその時よ」と笑っていたが、この人も「自分の親だけは認知症にならない」と思っているのかもしれない。

「家をもらえるが、認知症の介護が付属」と「家の相続は放棄するが、介護しなくていい」と、どちらを選ぶのがトクだろうか。

このお隣さんが同居することになって、弟さんの奥さん(長男の嫁)は安心したことだろう。長男の嫁の義務から解放されて。

うちの親二人(認知症)の世話をしてきて、「家一軒もらえるとしても、もう二度と認知症の介護とは関わりたくない」と思う。

家一軒どころの苦労ではない。認知症を甘く見ると必ず後悔する。
なぜ世間の理解が昔のままなのか、そこが不思議だ。


                                <That's Ninchi Show 2 No.1089>