これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症が進んだという思い込みで。。。

判断は思い込みに左右される。

何か異変があった時、認知症の発症前は「認知症以外の他の病気」だとし、発症後はまず第一に「認知症の症状」だとする。

そういう傾向がないだろうか。

うちの家族は全員がそうだった。誰も自覚してはいないが「うちの親は認知症にならない」という思い込みがあったのだろう。

「何も障害物のない場所で何回も転んだ」と聞いても、「老化による筋力低下」か、「脳梗塞の後遺症」かと思っただけだ。

認知症を疑うどころか、「認知症」という言葉すら浮かばなかった。

何年か後、それが「認知症によるバランス障害」だとわかって、なぜ気づいてあげられなかったのかと後悔したものだ。

認知症を発症してからは、何か様子がおかしい時は「認知症が進んで別の症状が出てるのかな」と思い、他の病気は浮かばなくなった。

部屋の中で転んだり、急にしゃべらなくなったり、食事を拒否したりしても、「認知症が進んだ」として他の病気を疑わない。

その後、緊急入院することになって「脳梗塞の再発」だとわかった。

家族は全く気づかなかったし、訪問診療の先生も同様だった。
ただ一人、ケアマネージャーさんだけが「脳梗塞」を疑っていた。

医師にはわからなくても、ケアマネージャーさんには「介護経験」があるから、違いがわかる。

認知症の症状と、脳梗塞の症状と、見る人が見ればわかるのだろう。

認知症をよくわかっている医師なら区別がついたかもしれないが、この先生は訪問診療を始めたばかりで、介護とは無縁の人だったから。

認知症の症状は多岐にわたっていて、他の病気の症状と重複するものが数多くある。脳は全身を支配しているから当然だが。

何か異変があった時、「認知症のせい」にして見過ごすということは避けねばならない。

認知症が進んだ」と思いがちだが、認知症は急には進まない。

まず他の病気をいくつか疑ってみて、どれにも該当しない時だけは「認知症のせい」にしてもいいだろう。

「まず第一に認知症のせいにする」というのがよくない。そういう思い込みはきっぱりと捨てる。そうすれば正しい判断ができる。

そうは言っても、なかなかできないものだが。


                                <That's Ninchi Show 2 No.1090>