認知症が進んだという思い込みで。。。
判断は思い込みに左右される。
そういう傾向がないだろうか。
うちの家族は全員がそうだった。誰も自覚してはいないが「うちの親は認知症にならない」という思い込みがあったのだろう。
「何も障害物のない場所で何回も転んだ」と聞いても、「老化による筋力低下」か、「脳梗塞の後遺症」かと思っただけだ。
何年か後、それが「認知症によるバランス障害」だとわかって、なぜ気づいてあげられなかったのかと後悔したものだ。
部屋の中で転んだり、急にしゃべらなくなったり、食事を拒否したりしても、「認知症が進んだ」として他の病気を疑わない。
その後、緊急入院することになって「脳梗塞の再発」だとわかった。
家族は全く気づかなかったし、訪問診療の先生も同様だった。
ただ一人、ケアマネージャーさんだけが「脳梗塞」を疑っていた。
医師にはわからなくても、ケアマネージャーさんには「介護経験」があるから、違いがわかる。
認知症をよくわかっている医師なら区別がついたかもしれないが、この先生は訪問診療を始めたばかりで、介護とは無縁の人だったから。
認知症の症状は多岐にわたっていて、他の病気の症状と重複するものが数多くある。脳は全身を支配しているから当然だが。
何か異変があった時、「認知症のせい」にして見過ごすということは避けねばならない。
まず他の病気をいくつか疑ってみて、どれにも該当しない時だけは「認知症のせい」にしてもいいだろう。
「まず第一に認知症のせいにする」というのがよくない。そういう思い込みはきっぱりと捨てる。そうすれば正しい判断ができる。
そうは言っても、なかなかできないものだが。
<That's Ninchi Show 2 No.1090>