これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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高齢者住宅のトイレ、暖かく広く。。。

猛烈な寒波で「ヒートショックに注意」と言われている。

暖房している室内と暖房のない廊下やトイレとの温度差が激しいと、
脳卒中脳梗塞など)の発作が起きやすい。

日本の家は古来から「夏の暑さに対応した作り」になっていて、今でも寒冷地を除いて全体的に寒さ対応が不十分だそうだ。

うちの親の家も寒かった。マンションなどコンクリートの家と比べ、木造家屋は寒いものだが、トイレの寒さは格別、外と同じだ。

トイレには暖房がないのに、真冬でも「くさいから」と小窓をいつも開けているからだ。汲み取り式ではなく水洗トイレなのに。

この人たちの世代(八十代)が育った家は、トイレの小窓は常時開けておくのが普通だったのだろう。

そういう寒いトイレに慣れているから、「トイレに暖房だなんて、もったいない」となる。老人の思い込みは強い。

十年以上前、トイレ用のヒーターを付けてあげたが、「電気代がもったいない」と言って使ってくれず、持ち帰ったことがある。

家を建て替える(神戸の大地震で全壊)時、バリアフリーはもちろんのこと、浴室暖房を付け、窓は複層ガラスにしてみた。

浴室暖房は気に入ってくれて、よく使っていた。洗濯物も乾かせるので二階のベランダまで干しに行かずにすんで、とても感謝された。

ガラスの効果もあってか、リビングや寝室など居室は暖かい。
だが、部屋から一歩出ると全然違う。

室内は22度でも、廊下とトイレは10~12度、温度差は10度。

そしてあの寒い日に、最初の脳梗塞の発作が起きた。高血圧で、心房細動という不整脈もあり、起こるべくして起こったとも言える。

認知症を発症して「サ高住」に転居してから、しばらくは脳梗塞の再発が抑えられていたが、温度差が少ないことも一つの要因だろう。

トイレに暖房はないのだが、居室につながっているので暖かい。

居室(寝室兼リビング)のクローゼットの隣にトイレがある。引き戸の仕様はクローゼットと同じで、閉めていればトイレに見えない。

一般のワンルームマンションでは考えられないような位置だが、老人にとっては使い勝手がいい。ベッドからも2mくらい、すぐだ。

トイレの戸を開けていたらエアコンの風が入って充分暖かい。

うちの親は使用中も含めていつもトイレの戸は開けっ放しだったから、「暖房も冷房も完備のトイレ」と同じ。

ベッドのすぐ近くにトイレがあるので、結局ポータブルトイレは買わずじまいだった。「いつかは必要」だと思っていたが。

サ高住については不満な点も多いが、このトイレの位置だけは「よくできました」と言っていいだろう。

ただし、百点はあげられない。「もう少し広ければ、トイレ介助がラクなのに」と何度思ったことか。

高齢者住宅を建てるなら、トイレをもう少し重視して設計してもらいたいと思う。高齢者本人のため、そして介護者のために。

トイレ暖房と、介助しやすい広さと、ベッドからの近さ、この三点。
だが、コスト重視の経営者には無理な注文かもしれない。



                                <That's Ninchi Show 2 No.1091>