手を伸ばすと、脳梗塞がわかる。。。
「両手をそろえて前に伸ばす」だけでわかることがある。
高齢の親の脳検査に付き合った人は知っていると思うが、脳神経外科では問診時に「両手を前に出して・・」と言われる。
手のひらを上に向けて、両手を前に伸ばし、肩の高さまであげる。
その後、医師に「目を閉じてください」と言われる。
医師が「はい、もういいですよ」と言うまで、そのまま。
それだけのことで、脳神経系の異常がわかるらしい。
「脳梗塞が起きているかどうか」までわかる場合もある。
脳梗塞も含め、わかることは多い。
1.目を閉じると片方の手が徐々に下がっていくと、脳卒中。
2.目を閉じると片方の手が震え出すと、パーキンソン病。
3.目を閉じるとパタンと手を下ろすと、アルツハイマー病。
ただし、わかるといっても「その病気による異常という可能性」がわかるだけで、これだけでは「その病気の疑い」に過ぎない。
医師は問診、検査データ(血液検査・CTなど画像検査・脳波測定等)その他で総合的に診断するものだから。
確定診断には他に多くの検査が必要となる。
「3」の場合、アルツハイマーの人は「同時に二つの動作ができない」という特徴があるからだそうだ。
つまり、「手をあげておく」という動作と、「目を閉じておく」という動作を同時進行させることが困難で、手を下ろしてしまうらしい。
思い起こせば、うちの親が認知症を発症した頃も「同時進行が困難」な状態だったようだ。
家族で食事していても、だんまり。ひたすら食べる。
理解力が足らず、家族みんなの会話についていけないのかと思って、誰かが話しかけても無視。少しもしゃべらなくなった。
しゃべるのが嫌なわけでも、会話が不自由になったわけでもない。
食事中以外なら「ありもしない被害妄想の苦労話」を延々と話す。
「会話する」ことと、「食べる」ことの両立ができない。それだけ。
こうして、発症から後は「おばあちゃんだけが無言」という食事会が普通になった。誕生日だろうが、お正月だろうが。
家族で楽しく会話しながら食事する、そんな普通のことができない。
「ごく普通の日常の有難み」というのは失ってからわかるものだ。
それらを失うまで、その重要さに思いが至らない。
「あってあたり前のことが消える日もある」と思って暮らしていこう。
<That's Ninchi Show 2 No.1129>