順番通り記憶されるのは海馬の働きで。。。。。
海馬が痩せていると典型的なアルツハイマーだと言われる。
撮影すると脳の表面に見える老人斑(加齢とともに増えるシミ状のもの)、正体はアミロイドベータだそうだ。だが、これだけでは認知症の症状は出てこないらしい。
しかし、海馬が痩せているとなると、ほぼまちがいなく認知症だと診断されるだろう。海馬はそれぐらい記憶機能において重要な位置を占めているということだ。
海馬は脳に新しい情報が入ってこない時(休息中)に、記憶を順序立てて整理しているそうだ。こうして過去から現在までの記憶が、時系列的に脳に収められている。
統合失調症の脳は、海馬の働きが異常になり、記憶の整理ができなくなっている可能性が高く、脳の休息中に海馬が活発に動いて妄想や幻覚を引き起こすらしい。
海馬の異常とは短期記憶ができないことだと思っていたが、それだけではなかった。過去の記憶と新しい記憶とが順番につながらなくなる、それも大問題だ。
古い記憶の中に新しい記憶が混ざってしまったり、たとえば昨日の記憶のあるべき場所に三十年前の記憶が置かれたりしたら、本人はどんなに混乱するだろう。
脳が壊れることの苦しさは外からは想像もできない。が、想像力をふりしぼって少しでも認知症の人の気持ち、つらさや苦しさを考えてみることが必要だろう。