これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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些細なことで激怒する豊田議員を見れば。。

豊田議員の怒鳴り声に世間は驚いている。

しかし、うちの家族の反応は世間とは少し違っているようだ。
最初は「何だ、この人は」と家族一同驚きもしたが、

その怒鳴り声、なじみがあるというか、何度も聞いたような感じで、
つまらないことで激怒するという設定もまた記憶に濃くある。

その声は「思い出したくない記憶、嫌な記憶」を再生させ、

それはまるで「認知症の親がきれて怒りを爆発させた時」そのままだと気づき、そのことに驚いた。

この人も同じように不安感が強く、極度のストレスに悩み、脳が壊れていっているのかもしれない。

道を一つまちがって数分ロスが出たぐらいで激怒するのは普通ではないが、認知症の人なら普通のことだ。

「いつもと同じ」に強くこだわる傾向がある。
「いつもの場所・時間」でないと不安になるらしい。

だからたとえば引き出しの靴下をしまう位置を少し変えてしまっただけでも、ものすごく怒る。

また、「生きてる価値がない」などと生死に関することは普通は軽々しく言わないものだ。

道を誤って数分到着が遅れたぐらいでそこまでは言わない、それが理性のある普通の人々だ。

だが認知症などで脳が壊れてくると「言ってはいけないようなことを平気で誰にでも言う」ようになる。

こういう最大限の暴言は、認知症ではよくあること、普通のことだ。

豊田議員は表では気をつかうことができていたが、裏では少しも気をつかえない人のようで、

事務所スタッフへの対応は最低で、スタッフが辞めてばかりで新規採用しても続かない状況だという。

こういう「外と内とで極端に違う」二面性も認知症と酷似している。

認知症の人は「家族にはつらくあたるが、他人には気をつかえる」時期があるので、家族の苦労が外からは理解されないことが多い。

脳細胞の自滅が進むと、介護スタッフやたまに会う親戚・知人などの他人にまで暴言や暴力に及ぶようになるのだが、

最初の頃は他人に見せる表の顔はいたって普通なので。

ご近所や勤め先など外部の人に家族の苦労をわかってもらえず、そのため協力も得られずにいることが多い。

なかなか「認知症を知らない人」には理解してもらえないのだが、こういう苦しい状況でも家族は「家族をやめる」ことはできない。

同じように罵倒され暴力を奮われていても、豊田議員のスタッフは辞めればいいが家族は逃げることができない。

これからは認知症家族の苦しい状況を説明する材料として「豊田議員のスタッフの苦悩」を例にあげればいいだろう。

「あの怒鳴り声、あれと同じ」「それが毎日、何度も何度も」というように説明すれば世間の人々にわかってもらえると思う。

つまらない些細なことで激怒する、そういう人でも側で支えていかねばならないのが家族だ。

ホンネを言えば家族をやめたい。
何度そう思ったことだろう。

<That's Ninchi Show 2 No.1282