介護ストレスで病気になると。。。
ストレスの原因が消えても、ストレスに起因する病気が治らない。
治りそうに思うし、治る人もいるのだろうが。叔母のケース(そううつ病)も、自分(喘息)もそうはいかず、介護が終わってからも今度は自分のことで悩むことになる。
叔母は親子ほど年上の夫と実母とを同時に在宅介護していた、誰にも頼らずに一人で。そんな無理がたたって、更年期障害も重なって、ウツになった。
二人を見送って自由になってからも、そううつ病は治らない。ケアハウスに入居するまでずっと二十年以上も治らなかった。転居し、環境を変えることで元気になった。
やっと元気になり、ケアハウスで友人もできて、旅行やコーラス同好会を楽しんでいたが、それも数年。八十歳を目前にして突然逝った。動脈瘤破裂。
介護をがんばった、その結果がこれだ。何も報われず、逆に苦しめられる。
介護のストレスのせいで、後半の人生は予想外の顛末になった。この病気で友人は離れていき、家族や親戚だって距離を置くようになり、孤独になるから。
実際、「病気だから、何を言ってもガマンして聞いてあげなくては」と思っていても、叔母からの電話には出たくない。うちの家族みんなが譲り合うようになっていた。
深夜でも早朝でも、相手のことなど一切気にせず、言いたい放題の長電話が一日に何回もかかってくる。「そう」の時はハイテンションで、実に楽しげに。笑いながら。
「こんなこと、笑いながら言うこと?」と思うようなこともある。病気だから。親族でも嫌がって敬遠するのだから、友人が全員離れていってしまうのも無理はない。
ストレスが原因で病気になると、元になったストレスを消せば治るはずだが、実際はそうでもない。今度は、その病気自体がストレスになる。ストレスは消えない。
持病が治らないことを悩み、「いつ悪化するか」わからないという不安や、この先どうなるのかという将来不安、それらのストレスがまた次々と病気を作る。
介護ストレスで病気になると、介護から解放されても治らないこともある。責任感や義務感から無理をして、自分の人生を台無しにすることにもなる。気をつけよう。