これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の作り話に「傾聴と共感」は。。

認知症の人に対しても、「傾聴と共感」が必要だろう。

認知症という病気はなく、認知症とは生活習慣病など数十種類以上の病気によって引き起こされた「症状」をいうそうだ。

いくつもの症状があるのだが、総称して(ざっくり言うと)脳機能障害という言葉であらわされている。

その中には精神障害も含まれるので、一部の認知症の人に対しては精神障害者への対応法が参考になるだろう。

精神障害の人に対しては「傾聴と共感」が大切だと言われている。

ただただ耳を傾け、「そうそう」とうなづくだけだ。だが、言うのはやさしいが、現実として実行するのは難しい。

うちの親の時のことを思い出すと、「あきれるほど、あり得ない」つくり話を毎日聞かされて、家族は誰も皆うんざりしていたものだ。

そんな場合でも、「傾聴しなければならないから」じっくり聞いてあげるのが「本人のためになる」対処法なのだろう。

聞きたくないことだけれども、聞いてるふりなら何とか。

そして「あきらかに誤っている」ことを話しているのに、「そうそう」「そうだよね」とうなづく。共感しなければならないから。

共感など全然できないが、共感したふりなら演技力で何とか。

しかし、何とかできる場合は限定されるように思う。演技力のない者にとって、話の内容によっては「ふり」すらできない。

つくり話がどれだけムチャクチャか、知っている人は知っている。

訪問介護のヘルパーさんを指して「おまえの腹違いの妹」だと言ってみたり、「おまえは実は私が生んだ子じゃない」とか言ったり。

これらの話には前置きが付いてくる。深刻な顔をして、いかにも重大発表をするように「今だから言うのだけど・・」と言って始まる。

「こんなこと誰にも言えないから、あの世に持っていくつもりだった」というドラマの台詞のような言葉まで。

「重大発表」のあとに愛人の子を実子として育てた苦労話が続く。テレビドラマを材料にしているようだが、よく思いついたものだ。

あほらしくて聞いてられない。こんなことまで傾聴し、共感するべきなのだろうか。共感できるわけがない。

うちの親は一時期だけだが、妹が持って来た食べ物は一切食べなかった。「毒が入っているから」と言って。

実の娘が自分を毒殺するとでも思っているのだろうか。ドラマのように財産があるわけでもなく、何の利益にもならないのに。

もしかしたら妹は「実の子ではなく愛人の子」という設定だったのかもしれない。

傾聴と共感、言うのはやさしいが実行は難しい。

他人ならば「おもしろい話」ですむことなのだが、家族には。
笑い話になるのはずっとずっとあとのことだ。







<That's Ninchi Show 2 No.1191>