お泊りデイの問題は。。
介護保険制度は誰のためにあるのだろう?
「利用者と利用者家族のため」という答えになるが、そうとも思えないような不可解な部分が多く見かけられる。
何度も介護制度は改定されてきたが、その目的は「よりよい介護を」ではなく「公的費用を抑制へ」と傾いているような気もする。
「利用者と利用者家族のため」の改正ではないことは、デイサービスの施設に泊まるという「お泊りデイ」に象徴されている。
お泊りデイは「通所介護」のデイサービスの施設が運営しているが、「夜間の介護」は、本来の業務外のサービスだ。
デイサービスのデイとは昼間で、朝から夜までの一日ではない。
よって、介護保険は使えず、施設によっては高額な費用負担が発生する。一泊三千円からというが、施設によってまちまちだ。
うちの親戚が使っていた所は、ホテルのような個室で料金も高級ホテルなみ、一万四千円(食事代は別)だったという。
狭い部屋に何人も詰め込むと安くあがる。ネットで見ると、一泊千円というのもあるそうだ。食事代を入れても二千円。
この金額なら介護保険を使った場合との差が少なくなる。
介護保険を使えれば、ここまでする必要もないのだが。
本来は通所介護という施設にまで「夜間介護」を求められている現実を思えば、このままでいいはずがない。
家族に代わって一時的に夜間の介護ができる施設が少なく、必要量に比べ極端に不足していることの現われだ。
一割負担で安く利用できるのだが、「利用希望者が多くて予約が取りにくい」等の問題がある。
中には特養や老健の入所待ちで何ヶ月もという「ロングステイ」もあるらしい。そうなるとよけいに予約が取りにくい。
これ以上介護保険の支出を増やしたくない、たぶんそれだ。
では、次善の策として「ショートステイ」に「お泊りデイ」の代役コースを新設したらどうだろうか。
「夜間だけショートステイ」という別料金のコースで、昼間はデイサービスに行き、夕方から朝までの「夜間介護」専門にする。
同じ建物で同じ介護事業者がデイサービスもショートステイも経営している所は多いから、制度が変更されれば簡単にできることだ。
お役人様は「昼間もショートステイにいればいいのに、なぜ?」と疑問に思うだろうが、デイにこだわるのは利用者本人のためだ。
認知症の人は環境の変化に極度に弱いし、脳機能障害の特性で常に不安感が大きい。
「いつもと同じ」でないと安心できないから、「いつものデイサービス」で「いつもの介護スタッフ」に会えることが重要になる。
わかってもらえたら、そして介護保険制度は利用者のためにあると再確認してもらえたらいいのだが。
利用者第一の制度改正を願うばかりだ。
<That's Ninchi Show 2 No.1187>