老人介護、同居の費用

親と同居しての在宅介護の費用はどれくらいだろう。

 

施設に預けた場合よりは安くなるのか高くつくのか、施設のグレードにもよるし、介護度や持病その他の個人的条件にもよるから、一概には言えない。

 

施設に預けるだけの余裕がなく、家族が無料で介護している場合も多い。すぐに入所できるような施設は月に十五万円から二十万円はかかるから。

 

公益財団法人・家計経済研究所の調査（２０１１年９月～１１月）によると、在宅介護にかかる自己負担額の平均は一ヶ月約六万九千円だそうだ。

 

その内訳は、一割負担の介護保険利用料と、介護食、おむつ代。医療費は含まれていない。月に五千円から一万円ぐらいはかかっている人が多いだろうに。

 

調査の対象は全国各地の親や義理の親を同居して介護している人、４７０人（４０～６４歳）で、ネットで回答を得た。回答者の平均年齢は５２．６歳、親は８２．７歳。

 

この金額は安すぎるように思う。平均だからそうなのかもしれないが、要介護３で見積もっても、介護保険負担と食費だけで六万円を超える。

 

介護食は普及していないので、値段が高い。薬局や通販でまとめて買ってもさほど安くはない。おむつ代を多めにみて一万五千円、それに医療費五千円、計八万円。

 

実際はまだまだ費用が上乗せされているはずだ。介護保険の使えないショートステイ（お泊りデイなど）や、介護タクシーなど保険外サービス費もばかにならない。

 

こういう実態に合わない数字を発表して何になるのだろう。保険外サービスに十万円以上使っている人だっている。知らない人に誤解を与えるだけだと思う。