これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症家族の立場で考えれば、あきらめられない

脳のことは誰もわからない。今の科学でも未知の領域が残っている。
 
研究者でも脳外科医でも、わかっている所だけで何だかんだ言っているに過ぎない。未知の部分はわからないままで。わからないことは、「ない」と同じだろうか。
 
脳細胞が壊れていっても、残っている部分がある。それがどういう働きをするか、どんな可能性があるかがわからない。(脳の可塑性ということは知られている)
 
わからないから、何もしない。そこであきらめる。あきらめさせられる。
 
昨日のテレビで「どこの病院でも拒否された」重症の老人を受け入れ、あきらめずに、熱意と工夫で歩かせるリハビリ医の先生が紹介されていた。
 
家族の立場で考え、残っている機能をできる限り引き出す、それで効果をあげる。
 
この先生はもとは脳外科医で、脳卒中患者の脳の画像を見て「生き残っている部分」を探し、その可能性にかける。「失った部分」がどうであれ。
 
先生自身、数年前は患者家族の立場だった。お父さんが脳梗塞を起こし、「できるだけの」リハビリをして、介助者がいれば歩けるようにまでなったそうだ。
 
それからは患者家族の立場を考慮して診療にあたる。「できるだけ、できる限り」のリハビリを願う気持ちがわかるから。家族はあきらめられないものだから。
 
認知症家族だってあきらめられない。認知症のリハビリにも、家族の立場で考えてくれるスタッフがいれば違うだろう。可能性が開けるのではないかと思う。