突然認知症になったわけでは。。
「突然、親が認知症になって」大変あわてた。
うちの親だけではないだろう。「突然」という例は。
しかし、あとから思えば実のところは「突然」ではない。
「突然」の一年ほど前から症状は出ていたのだが、家族が気づかなかっただけだ。ご近所の一部の人は気がついていた。
あとになって「口数が少なくなって、おかしいと思っていた」と。
気づいていても「お宅のお母さん、認知症じゃないの」とは言ってくれないから。普通はそこまでは言いにくいものだ。
家族は皆「何かおかしい、へん」だと思うことがあっても「まあ、年が年だから。老化でしょ」として、見過ごしていた。
胃ろうを付けねばならなくなったのも、「突然」だった。
普通食を食べていて、咀嚼力も嚥下力もあったから「まだまだ先」と家族は皆思っていた。少しも心の準備はなかった。
しかし、あとから思えばその時は既に脳の異常は進行していたわけで、
外からわからないだけだったのだろう。
「認知症は突然悪化する」と言われるのも、同じ理由だと思う。
脳がどう壊れているか、脳の状態がどれだけ異常なのか、(毎日観察していても)これらを知ることができないからだ。
脳がどうなっているのかわからないという状態が続いて、症状悪化という目に見える形になってはじめてわかる。
それが「突然の悪化」ということだ。
現在の病状が明確でない、医師でもわからないというのが問題だ。
現状が把握できていないのに、症状の進行の予測などできない。
もう少し脳科学が進めばわかるようになるのだろうか。
家族に心の準備をする余裕が生まれるといいのだが。
<That's Ninchi Show 2 No.1174>