老人施設のエアコン温度は。。
施設のエアコン、温度設定は誰に合わせているのだろう?
うちの親(85歳、胃ろうで寝たきり)は一般の老人ホームに入居しているが、個室には六畳用程度のエアコンが付いている。
面会に行くたびに思うことだが、夏は冷房がきき過ぎて寒いし、冬は逆に暖房が強すぎて暑いくらいだ。
冬など羽毛布団をかけているので、真っ赤な顔をして寝ていることが多かった。一日じゅう布団に包まれているから熱がこもる。
そのたびに温度調整するが、先日は25度という設定温度だった。
大阪は連日35度以上という猛暑なので、我が家でも一日じゅうエアコンを使っているが、設定は27度。
その設定で、室温は28度以下になり湿度も60%程度になる。
これなら動き回っていてもイライラすることはない。
動くことがない寝たきりの老人には27度の設定温度で充分だと思う。
北向きの部屋で、窓は北側しかないから。
夏用の薄着で、タオルケット一枚かけただけだ。
じっと横になっていて動くことがないと冷え続けるだろう。
「寒い」と訴えることはないが、寒いのでは?
寒そうな顔もしていないが、認知症を発症してからは無表情だ。
もともと表情に出ないから。
認知症で温度感覚が低下しているから、寒いという感覚がなくて、ほんとうに寒くはないのかもしれない。
施設スタッフは忙しく動き回っているから暑いだろう。
スタッフの感覚で温度設定していたら25度が適温になる。
しかし、じっとしている寝たきり老人のことをもう少し考えてくれてもいいと思う。
何も言わないのは現状に満足しているということではない。
「暑い、寒い」という感覚がなくて、または「暑い、寒い」という言葉が出せなくて、何も言わないのかもしれない。
介護の基本、「認知症の人に寄り添う」というのはそういう表現されない気持ちを推し量ることからだろう。
だが、自分たちとは感覚の違う人々の気持ちを推測するなど、誰にでもできることではない。
「暑い、寒い」が言える老人の介護と、認知症の老人の介護との差がここにある。
それだけでも認知症介護がどれだけ難しいかがわかると思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1173>