これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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介護ストレス、闘争か逃走か。。。

「ストレス」に対して「ストレス反応」がある。

「ストレス反応」とは、身体の主要なシステムが協力しあう防御機構の一つだそうだ。

たとえば、猛獣に遭遇した時など、そのストレスに対して身体は「闘争または逃走」に備えて瞬時に体制を整えるらしい。

必要なエネルギーや酸素、筋力、頭の回転、感染に抵抗するための一時的な免疫力増強などを用意する。

交感神経の緊張、呼吸数や血圧や脈拍の増加などで臨戦態勢だ。

それが「ストレス反応」で、「緊急反応」や「闘争か逃走か反応」とも呼ばれるという。

ストレスに対しては「闘争」か「逃走」という二つがあるようだ。

しかし、認知症の介護ストレスにはどうだろう。両方とも選べないのでは? ここに認知症介護の問題点があると思う。

ストレス(認知症の本人)と「闘争する」ことも、ストレス(認知症の本人)から「逃走する」こともできない。

本人から攻撃されたからと仕返しすると「老人虐待」だし、本人を捨てて逃げ出せば「介護放棄」になる。

「闘争も逃走もできない」のだが、ストレス反応だけは常にあり、戦ったり最速で逃走したあとのように心身は疲れる。

そしてなお悪いことに、介護ストレスは「一時的」「短期的」ではなく、「慢性的」「継続的」「長期的」なものだ。

緊急時の防御策としての「ストレス反応」が継続的に起こったら、心身はボロボロになることは言うまでもない。

介護職の人はそうなったら転職すればいいから「逃走」できる。離職率が高いのはそれもあるだろう。

家族は無理だ。家族は「闘争できず、逃走もできず」に、社会からは最後まで介護を継続することを求められている。

「闘争」も「逃走」もできず、逃げ道がなくなって、精神的に追い込まれたら「終わりにしたい」と思うだろう。

終わりにするには「本人を消すか、自分を消すか」で、介護殺人や自殺を考える人も出てくる。

この問題をどうすればいいのだろう。
闘争せず、また逃走もしないで継続できる方法があるのだろうか。

「ストレスだと思わなければいい」「どんなことがあっても気にしないでおけばストレスにならない」と言う人もいる。

それができない人はどうすればいいか、問題はそこだ。
その答えはどこにあるのだろうか。



          <That's Ninchi Show 2 No.1133>