これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (138) エアーマット その2

<That's Ninchi Show  No.138 >
 
寝返りができなくなると、褥瘡(床ずれ)ができやすい。
 
老健(介護老人保健施設)に面会に行くと、おばあちゃんのベッドにエアーマットが取り付けてあった。二ヶ月以上も床ずれが治らないからだろう。自分ではもう身体の位置を変えることができない。
 
できなくなって半年以上たつ。寝かせてもらったまんまの位置でずっとそのままだ。おむつ交換の時に身体の向きを変えてくれているそうだ。
 
動かなくなって血流が悪いことと、低栄養が重なっている。また老化により治癒力の低下もあり、毎日消毒して薬をぬっていてもなかなか治らない。
 
エアーマットは体圧分散の効果があるから、「寝たきり」老人には適している。が、ふわふわしていて、起き上がりにくいし、自力での寝返りもしにくいので、まだ動ける老人には使えない。
 
ベッドにエアーマットが付けてあるのを見て、いよいよ「寝たきり」になったと、再認識させられた。「ほとんど寝たきり」とは違うのだと。
 
半年前、去年の夏は動けていた。「動き回ってベッドから落ちそうになってますから、柵を取り付けます。」と病院から電話があったくらいだ。その時は低栄養でもまだ動けるんだと驚いたが。
 
老健は何でも無料で貸してくれるからたすかる。特養(特別養護老人ホーム)の説明書では車椅子も自前で持ち込みだった。エアーマットを貸してくれるとは思えない。
 
以前ネットで調べたが、最低限の機能だけの普及品でも、七万円ぐらいだった。自動体位変換、除湿などの高機能型は十数万円、レンタルでも一ヶ月一万円以上だ。
 
介護保険を使えば、一割の値段で購入したり、レンタルしたりできる。しかし、要介護5になった今、介護保険の枠はいっぱいだ。施設入所の場合は、全額を施設に払っている。
 
もし在宅でも、三万数千円の枠では、毎日数回ヘルパーさんに来てもらうことも難しいだろう。重度になると、介護保険は必ず不足する
 
エアマットを買いたい、買えば床ずれ予防になる、そうわかっていても、買えない。
 
要支援のとき、要介護1、2、など軽度のときは、介護保険は余っていた。デイサービスや週に一回程度のヘルパーさんの訪問ぐらいしか使ってなかったから。
 
介護保険は実情に合っていない。必要のない時にたくさんあって、必要が出て使いたい時には使えない。そんな介護保険のシステム設計はおかしい。より現実的な再設計ができないものだろうか。
 
                                   (2012年3月)