これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人の意見、本心はどこに。。


認知症の本人の意見、これほど難しいものはない。

昨日また「お役所の調査結果」が報道されていた。
施策に認知症の本人の意見が反映されていない、というもの。

「本人から意見を聞き取るのが困難だから」として、
最初から聞き取りしようとしないのが問題だという。

これに対し、専門家のアドバイスも紹介されていた。
「すぐにしゃべれなくなる」という思い込みが浸透しているが、
そんなことはないので改めよう、というような。

確かに、多くの「認知症を知らない人」はそうだろう。
そういう思い込みがあると思う。
事実、すぐに「何もわからない状態」にはならない。
そうなるのは発病して何年も後、うちの親では約十年。

うちの親を見ても、かなり長期間「話す能力」は残っていた。
しかし、その内容が問題だ。

第一に「同じ質問の答えが、時間によって逆になる」ことだ。
数分後には前言を翻すというような。
本心はどこにあるのか、全く理解できない。

また、びっくりするような意外な答えもある。
ほんとうにそう思っているのか疑うようなものだ。
妄想が言わせているのかもしれない。

そして、幼児と同様な反応もある。
質問者の言葉の最後のほうだけが頭に残るのか、
「Aか、Bか、Cか?」と問われると、「C」と答えること。

たとえば、
「人生の最後はどこにいたいですか?
病院ですか、施設ですか、自分の家ですか?」の時は、
「自分の家」と答えるような。

このような場合は順番を変えて質問してみるといいが、
お役所の調査でそこまでするだろうか。

本人の意見を確認することは大事だが、
形式的な確認になった場合、何の意味があるだろう。



<That's Ninchi Show 2  No.1377>