これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の親を介護、得るものは。。

「対等に・・・」ができるならいい。

障害者介護について、「対等」という言葉が注目されている。
対等という意識で対応することが重要だそうだ。
相手が弱者で、自分は「世話してあげる強者」だとか、
相手が下で、自分は上というのではなく。

なぜ対等かという理由だが、
普通の人は、多くの人は思いつかないような気がする。
世話することに匹敵するだけのモノを与えてくれるから、
ギブ&テイクで対等になる、という論理らしい。

「介護してよかった。得るものがあった」というわけだ。

「介護しても何も得るものがない」という人々は、
与えられたモノ(得たもの)に気づかない人々だそうだ。

以前にも「親を介護してよかった。得るものがあった」と、
同様な意見を述べる人が何人もいて、
そこを理解しようとしても、どうしても違和感があった。

認知症の親を介護して、得るものなど何もない。
それどころか失ったものが多すぎる。
これが率直なところで、まるで逆の立場にある。

「対等」だなんて、認知症ではあり得ない。
悪化するので「特別な対応」が必要だからだ。
認知症の本人にストレスを与えてはいけないから、
文句があっても言わずにガマンし、
本人の気持ちを尊重して、
本人の言葉を否定せず、
いつも笑顔で接する。

まるで「王様と奴隷」で、対等どころか。
王様は暴君で、時には暴力で自己主張する。
それでも、何も言わず逃げずに忍耐また忍耐。

「親孝行」とか「家族の義務、責任」という言葉、
その重い鎖に縛られての奴隷労働。
そこに何の得るものがあるのだろう。
あるなら教えてほしいと思う。


<That's Ninchi Show 2  No.1371>