これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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まぼろしの特養入所(2)

突然の入所は突然として延期になった。

特養入所の連絡を受けてから二週間ぐらい過ぎた頃、突然の「入所延期」通告があった。

特養の相談員さんからの電話で、「延期を」と言われて驚いた。
てっきり「入所日確定のお知らせ」だと思って出たからだ。

というのも、入所前相談のために特養を訪れた時、担当者(別の相談員さん)からこんなことを言われたからだ。

「入所の連絡をした者はすぐに入所できると言ったようですが、受け入れ準備に時間がかかるので、月末からあとになります」

「入所前の説明を終えて二週間で入所というのが通例ですから」
「入所日や入所の時刻はこちらで指定します」

二週間後の指定日に入所、まるでお役所仕事のようだと思った。
指定日に都合のつかない時は変更できるのかと問うと、
「指定の日より数日ずれるぐらいならいいです。が、それ以上、一週間あとなどと言われても・・・」とのこと。

入所説明が終わって帰り道、同じ施設で担当者によって言うことが違うのはどうなのだろうと、少し心配になった。
ほんとうに入所できるのだろうかという不安もある。

また入所日を家族との相談ではなく、施設が一方的に決めるというのもどうかと思った。
老人は一人では動けない。
指定日に家族の都合がつかない場合もある。

そして何よりも、当時うちの親は入院中なので「指定日に合わせて退院許可が出るかどうか」という不安があった。
うちがダメでも待機者は何人もいるから施設は困らないわけで、指定日に入所できる人が代わりに入所すればいい。
もともとあまりに突然で現実味の薄い話だったが、ここでまた一段と確実性が少ないように思えてきた。

その不安は的中して、入所予定の月末近くになっても退院が未定となっていた。理由は感染症による栄養不良だ。

というわけで、こちらとしても「延期」は好都合だった。
指定日に間に合わないとなると入所が消えてしまうから。

延期の理由は天災だ。六月十八日の大阪北部地震
施設は「家にいられない被災者老人の一時入所」で満員だそうだ。

要介護の老人は学校の体育館などの避難所での生活は難しい。
「いつもデイサービスでお世話になっている施設に」と思うのは普通だし、介護施設への一時避難が最もふさわしい。

延期の理由は納得できる。
満員となると待機順位はどうなるのだろう。
相談員さんに「状況が変わったが待機順位は一位ということで待っていていいのかどうか」たずねてみた。

相談員さんは「待機順位はそのままです。入所可能になったらまた知らせます。入所日はそちらのご都合のいい時で」と言う。

ずいぶんと低姿勢なのでまた驚いた。
施設の都合での延期だから?

この時は「被災者が自宅に戻るころ、七月や八月には入所できるだろう」と思っていた。

天災という偶発的な要因による延期だから。
単なる延期で、入所可能性が消えたわけではないと。
しかし、入所延期のはずが「入所可能性ゼロ」になってしまう。

突然の延期のあと、しばらくして突然の「入所お断り」となるのだが、その詳細はまた後日。




<That's Ninchi Show 2  No.1399>