退院して老健に、しゃべるまでに。。
老健の先生(医師)に会いに行った。
うちの親が退院し、病院付属の老健に入所して三週間になる。
回復状況をたずねるために医師との面談を予約して出かけた。
老健は「医師が常駐」ということだが、いつもいるわけではない。
面会のついでに医師と話ができる、そんな施設のほうが少ないかもしれない。
医師によると「感染症の心配もなく、状態は安定している」とのこと。入院中と比べて投薬の種類も量も相当減っているが、検査数値は良く、栄養状態も良好で肺炎などの兆候は一切見られないらしい。
血糖値は130ぐらい。一日三回血糖の上昇を抑える薬(ナテグリニド錠)を胃ろうから注入してこの数値になっている。
血管の拡張を抑制する薬(ベラパミル塩酸塩錠)も入院中からの継続で投与しているとのこと。
心房細動や頻脈の治療薬だが血圧を下げる効果がある。
入院中に少しづつ減らしたのだが、リバウンドがあり、また少し増やして今の状態になっている。
有料老人ホームの訪問診療医により一ヶ月以上ストロイド投与があったことが、半年近くたっても影響している。
五月の投与量は当初一日8錠、一週間後に6錠、三週間後は5錠だった。六月に入院後は少しづつ減らして一日1錠、リバウンドがあり増やして2.5錠。
リバウンドで全身に広くひどい湿疹が出たが、入院中の治療により今は治っている。
だが、ステロイド剤をやめるとまたどうなるかわからない。
お尻(仙骨のあたり)の床ずれのほうは、入院中の治療で良くなっており、表皮が少し破れている程度らしい。
この部分は完治しにくいと思う。寝たきりだから。
面談が終わって、本人の様子を見に行ったら四人部屋の居室には誰もいなかった。お風呂の時間だそうだ。
しばらくして本人が車椅子に乗せられて戻ってきた。
湯上りで顔はまっかだが、機嫌はよさそう。
しっかり目を開けて介護スタッフの話を聞いていて(聞いているように見えるだけだが、たぶん)何らかの意識はあるようだ。
こちらを見ることは見る、声をかけると。
ちらっと見るだけ、何の反応もない。
「誰なのかな、知らないな」というような顔つきで。
やはり何もしゃべらないのかと思ったら、担当者(介護スタッフ)には「よくしゃべる」らしい。
ただし、発音不明瞭で「何を言っているのかさっぱり」だそうだ。
胃ろうにして五年、咀嚼をしなくなったら筋肉は衰える。
水を飲むこともないから、嚥下の筋肉も使わない。
口の周りの筋肉を使わずにいると、発音するための筋肉にも影響するのだろうか。するだろうな。
老人ホームにいた時からこんな状態だった。
ステロイドの副作用で糖尿病になり一時は意識もうろう、目を開けることもないほどに悪化したが、また元に戻ったようだ。
すべてステロイドのせい。
ステロイド剤を使う時は細心の注意を払ってほしかった。
医師は選ばねばならない。
<That's Ninchi Show 2 No.1340>