認知症の発見が遅れたのは。。
同居家族がいないと早期発見が遅れる。
初期は「まともな時」が比較的長いし、認知症の本人が「辻褄を合わせて上手にごまかす」こともあるので、
たまに来る家族は異変に気がつかないからだ。
だが、いつも接している周囲の人々は気づいていることが多い。
特にヘルパーさんや診療所の看護師さんなどは。
うちの親が認知症になった時もそうだった。
あとから聞いたことだが、気づかないのは家族だけだった。
「知らせてくれたらよかったのに」と思ったが、当方が連絡先を伝えてなかったので無理、知らせたくてもできない。
隣家には連絡先を知らせてあったのだが、いくら親しいといっても「ご近所」だから、わざわざ電話してまで、
「お宅のお母さんボケてるみたい」とは言いにくかっただろう。
頻繁に隣家に電話して、うちの親の様子を聞いておけばよかった。
親の家に行った時も、素通りせずに挨拶に寄ればよかった。
高齢の親が一人暮らしなので、ご近所に面倒をかけるだろうと、
お中元やお歳暮を贈って、その他の季節は手土産を持参して挨拶に行っていたのだが、年に何回かでは不足だったと思う。
もう一つ、後悔していることは「かかりつけ医との連絡」を怠ったせいで、異変を「脳梗塞の後遺症」だとして見過ごしたことだ。
本人の言葉をそのまま鵜呑みにしていたのが悔やまれる。
親の「かかりつけ医」が近所に何人かいたが、親が認知症を発症するまでは面識のない先生もいた。
たまに診療に同行したり、代わりに薬をもらいに行ったりしただけだ。電話で様子を聞くなり、診察券を持って相談に行くべきだった。
家族が電話相談できるとは知らなかったからだ。
発症してからは何回も電話で医師に相談するようになったが、相談料は診察料程度だったと思う。
さらにもう一つ、最も後悔しているのは発症前に介護関係との連携が一切なかったことだ。
訪問介護のヘルパーさんや、デイサービスの担当者、ケアマネージャーさんなどの連絡先を全く知らなかった。
親の家に行けば連絡先は書いてあるのだが、「緊急時の連絡」ぐらいにしか思っていなかった。
それらの人々に会ったこともない。
発症前に本人が自分で選んで、自分で契約しているので家族は誰も関わっていなかったからだ。
これら介護職の人々は職業上「異変を見逃さない」はずだから、うちの親の発症時にも早くから気づいていたと思う。
これらの人々と頻繁に連絡をとっておけば、もっと早く認知症を発見できたかもしれない。
早期発見のためには次の人々との連携が鍵だと思う。
1)ご近所
2)かかりつけ医
3)介護職
昔と比べて、今は長生きするようになったから認知症老人が増えたと言われている。
それもそうだが、それだけではないと思う。
昔は「家族同様のご近所」がいたり、どこにでも「おせっかいおばさん」がいたりしたものだ。
濃密な人間関係を嫌うという社会構造も関与していると思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1308>