こんなに暑くても、認知症だと。。
こんなに暑くても認知症の人は暑くない?
認知症といっても個人差があり、全部が全部ということではないが暑さの感覚が鈍っている人は多いと思う。
うちの親だって真夏の昼間に窓を閉め切って、エアコンを消し、布団を頭からかぶっていたことがある。
窓を閉めているのは「窓からバケモノが侵入するから」だそうだ。
エアコンはというと、「送風口からも侵入するから」だという。
みつからないように布団の中で隠れていたらしい。
普通の人なら「暑くて耐えられない」状況だから、平気でそんなことをしているのは「暑くない」からだとしか考えられない。
「認知症の人は暑くない」とわかったできごとだった。
このような妄想のない時でも同じようなことが頻繁にあった。
ヘルパーさんが訪問時にエアコンをつけて適温にしておいても、しばらくすると本人がエアコンを切ってしまう。
「もったいない」とか「クーラーは身体に悪い」とかで、意識的に消した時と、そうでない時とがある。
そうでない時というのは「リモコン操作がわからなくなった」時だ。
設定温度を変更しようとして、押すところを誤って「おそうじ」にしてしまい、冷気が出てこなくなったことがある。
「おそうじ機能」のあるエアコンを使ったことがなかったからだ。
当時はまだ電話機の操作はできたので、本人が電話で「エアコンが壊れた」と訴えてきて判明したできごとで、
「認知症だとリモコン操作は難しい」と思い知らされた。
「認知症の人は暑さ寒さの感覚が普通とは違う」ので、
「暑かったらエアコンをつけるはず」という予測は成立しない。
認知症の症状は基本的に「まだら」で出てくるので、時には普通の人のように「暑い」と感じることもあるのだが、
その時でも「暑いからエアコンをつける」とは限らない。
リモコン操作がわからない時はどうしようもない。
「認知症の人をひとりにしない」こと、それしかないように思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1290>