身近なところに「老老介護」が。。
「老老介護」が増えている。
うちの親は「サ高住」に入居するまでは一人暮らしだったので、認知症を発症してからは隣の奥さんに大変お世話になった。
何かわからないことがあるとすぐお隣に行って教えてもらう。
認知症だと「わからないことだらけ」だから、一日に数回、もしかしたら数十回だったかもしれない。
銀行口座から生活費をおろす時も「暗証番号の入力など機械操作への不安」があって、隣家の奥さんに同行してもらっていた。
「認知症の人は一人では何も満足にはできない」から、
一人暮らしなどさせてはいけないし、無理なのだが。
お隣がいい人で、協力してくれて幸いだったと思う。
そのお隣の奥さんだが、うちの親より十歳ぐらい下なので今は七十五歳ぐらいだろうか。
ご主人が数年前から認知症になって、一人で介護しているそうだ。
自宅で老夫婦だけの在宅介護、まさに「老老介護」だ。
息子たちは別居、「介護はお母さんの仕事」とでも思っているのか、「息子たちには迷惑かけたくない」という母の気持ちだろうか。
世間ではまだまだ「親父がボケたらお袋が世話するからいい。自分は関係ない」とする人々がいるのだろう。
どうしてそのことをわかってもらえないのだろうか。
ここに「老老介護」増加の一因があるように思う。
世間は認知症を軽く(=甘く)見過ぎている。
認知症という名称がよくない。認知機能障害だけの人なんていない。
精神障害も運動障害も含めて、複数の脳機能障害を持つ。
そんな多重障害者の世話をするようにと言われても、医学的知識のない素人には無理、できないのが普通だ。
そんな困難なことを老人がたった一人で担う、それが「老老介護」だ。
隣家の奥さんは心の優しい、いい人だった。
うちの親が迷惑をかけたのに、嫌がらずに面倒をみてくれた。
いい人がいつも苦労する、それが今の社会なのだろうか。
<That's Ninchi Show 2 No.1289>