認知症の人の服薬は。。
認知症だと薬をきちんと飲むことは難しい。
薬を飲み忘れるだけでなく、種類が多い時は誤って別の薬を飲んだり、また分量をまちがったりする。
認知症の人の一人暮らしでは服薬は大きな問題点だ。
そういうわけで、うちの親は食事介助が必要ない時期でも、一時的だが食後の服薬のためだけにヘルパーさんに来てもらっていた。
服薬の管理だけでなく、食事時の訪問介護は大きな意味があった。
食事をとらなかったり、食べ過ぎたりすることもあるからだ。
服薬の問題は介助者がいれば解決する。
ただし、初期段階に限定すればで、全てがそうとはいかない。
認知症が進んでくると、何かのきっかけで「この薬は毒薬だから」と言って飲もうとしなくなることだってある。
なぜ飲みたくないのか、考えてみた。
老化で嚥下能力が低下して「普通に水で薬を飲む」という動作が難しくなり、薬を飲み込むことが苦痛になるのかもしれない。
服薬ゼリーを使うなり、水に「とろみ粉末」を混ぜてゼリー状にしてあげればいいのだろう。
薬の飲ませ方についてだが、老人施設で夕食時の食事介助を見て「これはすごい」と思ったことがある。
要介護4や5の入居者グループだったので、食事は流動食に近いもので、人によっては固形物がほとんどない。
ほとんど全員が嚥下機能が低下して「飲み込むのが難しい」レベルだったと思う。
スタッフは各自の食事を配り終わったあと、トレーに薬を人数分のせて運んできて、各自に飲ませ始めた。
見ていたら「飲ませる」ではなく「食べさせる」に等しい。
これなら「毒薬だから飲みたくない」と言い張ることもできない。
あまりに早く、てきぱきとすませたので本人は「薬を飲まされた」という意識もないかもしれない。
この薬は「食後」なのかな、これだと「食事まっさい中」なんだけど・・・などと余計なことをその時は思ったりもしたが、
そんなことはどうでもいい。
ラクに確実に飲ませることができれば。
認知症の老人にきっちり薬を飲んでもらう。
言うのはやさしいが、実行するのは難しいものだ。
<That's Ninchi Show 2 No.1286>