これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人の服薬は。。

認知症だと薬をきちんと飲むことは難しい。

薬を飲み忘れるだけでなく、種類が多い時は誤って別の薬を飲んだり、また分量をまちがったりする。

認知症の人の一人暮らしでは服薬は大きな問題点だ。

そういうわけで、うちの親は食事介助が必要ない時期でも、一時的だが食後の服薬のためだけにヘルパーさんに来てもらっていた。

服薬の管理だけでなく、食事時の訪問介護は大きな意味があった。
食事をとらなかったり、食べ過ぎたりすることもあるからだ。

服薬の問題は介助者がいれば解決する。
ただし、初期段階に限定すればで、全てがそうとはいかない。

認知症が進んでくると、何かのきっかけで「この薬は毒薬だから」と言って飲もうとしなくなることだってある。

なぜ飲みたくないのか、考えてみた。

老化で嚥下能力が低下して「普通に水で薬を飲む」という動作が難しくなり、薬を飲み込むことが苦痛になるのかもしれない。

服薬ゼリーを使うなり、水に「とろみ粉末」を混ぜてゼリー状にしてあげればいいのだろう。

薬の飲ませ方についてだが、老人施設で夕食時の食事介助を見て「これはすごい」と思ったことがある。

要介護4や5の入居者グループだったので、食事は流動食に近いもので、人によっては固形物がほとんどない。

ほとんど全員が嚥下機能が低下して「飲み込むのが難しい」レベルだったと思う。

スタッフは各自の食事を配り終わったあと、トレーに薬を人数分のせて運んできて、各自に飲ませ始めた。

見ていたら「飲ませる」ではなく「食べさせる」に等しい。

おかゆ」に錠剤をのせて、おかゆと一緒にスプーンですくって「あーん」と、食べさせてしまった。

これなら「毒薬だから飲みたくない」と言い張ることもできない。

あまりに早く、てきぱきとすませたので本人は「薬を飲まされた」という意識もないかもしれない。

この薬は「食後」なのかな、これだと「食事まっさい中」なんだけど・・・などと余計なことをその時は思ったりもしたが、

そんなことはどうでもいい。
ラクに確実に飲ませることができれば。

認知症の老人にきっちり薬を飲んでもらう。
言うのはやさしいが、実行するのは難しいものだ。


<That's Ninchi Show 2 No.1286