認知症の人に「好きなようにさせる」のは。。
認知症の人への対応はほんとうに難しい。
問題は数多くある。たとえば「常識が通用しない」ことや、「こちらの言うことを少しも聞いてくれない」ことだ。
では「本人の好きなようにさせればいいか」というと、疑問だ。
言うとおりにしてくれないし、こだわりが強くどこまでも自己主張を通すから、本人の好きなようにさせるしかないようにも思えるが、
限定的に、許容範囲の中だけで自由にしてもらうのがいいだろう。
普通の老人とは違って「高齢で先が短いから好きなようにさせるのがいい」とは言えない場合が多々あるからだ。
脳障害のせいで空腹感がない場合「本人の好きなように」していたら、何も食べなくても平気で何日も過ごしてしまうだろう。
それとは逆に暴飲暴食で身体を壊すこともあり得る。
家族としてはそういう状況を黙認できないだろう。
責任があるし、無視すれば「老人介護放棄」とみなされるから。
本人が「自分の好きなようにしていられるなら長生きできなくてもいい」と言うかもしれない。
好きなようにできないでガマンして長生きするより、どのみち短いのだから好きなように暮らしていきたい、
そのように望む老人もいるが、認知症では話が別だ。
認知症で正しい判断ができなくなった場合、生き方を含めて全てが家族の責任とされるのだから。
ただし、自由を制限されるとイライラして精神的にはよくない。
それらのストレスは脳細胞の自滅を促進させる。
そのあたりの加減が難しいところだ。
できるだけ「好きなようにさせ」つつ、肝心なポイントでは自由を制限することが必要だと思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1285>