認知症は対応の難しい脳機能障害なので。。
脳のどこが壊れているのかわからないので・・・困る。
病気ではなく障害なら認知症の人は脳機能障害者というわけで、障害に応じた適切な対応が必要になる。
脳機能障害はそれだけではない。
こんなことまでと思うようなことも含んでいる。
たとえば「よく転ぶ。障害物もなく平坦な所で転ぶ」というのも脳の異常が原因だった。
うちの親がそうだった。当初は「老化で足が弱った」と思っていたが、医師に言わせると認知症による「バランス障害」だそうだ。
また「原因不明の発熱」もそうだ。うちの親がそうなのだが、一部の人では「体温調節機能の故障」が起きるらしい。
突然の発熱で感染症を疑われたが血液検査では炎症反応がなく、医師も「原因がわかりません」と困り顔で、
解熱剤を投与しても少しも熱が下がらず、手の打ちようがない。
医師は薬を換えたり量を増やしたりしたが何の変化もなかった。
「原因をみつけないことには治せないだろうに、この医者もしかしてヤブ?」と不信感が極大になったころ、突然熱が下がった。
こういうことが何度も起きてどうやら「体温調節機能が壊れている」となったのだが、初めて診た医師にはわからないのが当然だろう。
今では主治医以外の医師に診てもらう時は「体温を上げ下げする機能がおかしいので」と付け加えることにしている。
このように認知症の人の障害は数え切れないほど多く、個人個人で異なるため医師でも「どこが壊れているか」わからない。
「どこがどう壊れているか」わからないのに、適切な対応がとれるかというと、とれないのが普通だろう。
個人個人の障害に合わせた適切な対応が望ましいのだが、その障害がはっきりしない中で何ができるのだろうか。
脳のどこがどう壊れているか、それがわかるようになるのは何年も何十年も先のことなのかもしれない。
<That's Ninchi Show 2 No.1265>