認知症の初期とはどこまで。。
どこまでが認知症初期なのだろうか。
うちの親はいわゆる「認知症の薬」を一切使っていない。
数種類あるアルツハイマー治療薬のどれ一つも。
親二人が認知症になったが二人とも使わずだった。
医師が「副作用の危険性の割りに効果が期待できない」ということで、処方してくれなかったからだ。
介護スタッフに「薬で少しは改善するのでは？」とたずねてもみたが、誰もが「初期なら。お母さんはもう中期だから」と首を振る。
「中期」と言われて意外だった。
うちの家族は漠然とだが「まだ初期だ」と思っていたから。
家族が「これは認知症だ」と気づいてからまだ数ヶ月だったし、
医師に「もう中期です」と言われたわけでもない。
というのも、どの医師からも認知症の確定診断が出ていないからだ。
主治医の内科医はともかく、脳神経科や精神科の専門医も。
「専門外なので精神科に」とカルテを回され、確定診断は精神科の医師にということになったが、
精神科で受けた長谷川式テストの点数が意外によかったので、
「認知症だとはまだ言えない」ということで終わった。
うちの親は二人ともどの医師からも「認知症の種類、今現在の進行レベル、治療法、これからの病気の進行予定」など、
ほんとうに知りたい必要な情報は一切提供されなかった。
こういう状況なら誰でも「まだ初期だ」と思うのではないだろうか。
家族だから「まだ初期だと思いたい」というバイアスもあるし。
中期では治療もリハビリも意味がないとされているようだ。
認知症の薬は初期でも効果がない人々もいるから。
そういうわけで何の治療も何のリハビリもしないで、親は二人とも終末期にまでなってしまった。
何もできなかったことが悔やまれる。
初期のうちに気づいてあげればよかったと。
今となってもまだ「どこからどこまでが認知症の初期なのか」全くわからないままだ。
初期と中期の境界はどこにあるのだろう。
家族がわかるようにまでなったらもう症状が進んでいて「すでに中期」なのだろうか。
それならどんなに早く気づいたとしても遅い。
家族が気づく前までが「初期」だとするならば。
本人が「何か自分はへん。この頃少しおかしい」と自分を疑うようになった時こそが「初期」なのだろうか。
本人が気づき、診断や治療に向うことが必要だと思う。
＜That's Ninchi Show 2 No.1262＞
