これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症のせいにして病気を見逃すと。。

認知症のせいにして病気に気づかない、それは避けたい。

うちの親の例だけかもしれないが、家族だけでなく医療や介護の専門職の人でも、そういう傾向があった。

たとえば認知症の本人が「いつも以上に不機嫌で、イライラして怒りまくっている」時に、認知症のせいにする傾向があるのでは。

うちの親も突然このような状態になったことがある。

当時入居していたサ高住のスタッフにたずねてみても、何もアクシデントはなく、イライラしている原因は不明だった。

何日もこのような状態が継続していたが、訪問診療の医師からは「検査データは正常で、どこも悪くない」と言われていた。

内科的にはどこも悪くないのに、食も細くなっていた。
もともとよく食べる人だったので、あり得ないようなことだ。

認知症を発症すると空腹感がなくなって食べないでも平気という人もいるが、うちの親は逆で満腹感がなくなったタイプだと思う。

発症後は際限なく食べる。発症以前にダイエットしてガマンしていた分を取り戻すかのように食べていた。

食べられないとなると、やはり認知症による心理的ストレスが原因なのだろうかと、家族も介護スタッフも思い始めた頃、

本人の前歯の色が異常に汚くなっていることに気づいた。

歯磨きがきちんとできていないからだと思った。
だが、変色の原因が虫歯ではないことを確認する必要がある。

そこで歯科の訪問診療を依頼して、この問題は解決した。
何本もの虫歯ができていた。それがイライラの原因だった。

治療が完了すると、イライラはおさまり一瞬だが笑顔が戻った。
もちろん元のように大食いに戻った。

認知症の人は「歯が痛い」とは言えないんだ。
いつも文句ばかり言っているのに大事なことは言えないんだ。

それがよくわかったできごとだった。

イライラしたり、怒りっぽくなったり、食べなかったり、
それらは「認知症ならよくあること」ではあるが、

現実それだけではないし、他の原因を排除してはいけないと思う。



<That's Ninchi Show 2 No.1242