これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症、誰かがいるという安心感が。。

そばに誰かがいるという安心感が最も必要だと思う。

不安感でいっぱいの認知症の人には、それこそが絶対に必要不可欠なもので、あるとないとでは症状の進行が大きく違ってくるだろう。

いつも誰かがいてくれるという安心感、これがなかったら認知症は確実に悪化する。

脳が壊れていくという大きなストレスとその不安感によって、ストレス反応が持続し、ますます脳細胞の自滅を促進するからだという。

認知症の進行を遅らせるための薬、またリハビリ法やサプリなどがあるが、どれも明らかな効果がなかったという人も多い。

精神安定剤だってそうだ。この巨大なストレスには対抗できないのか、効果がないのに依存症や副作用だけが出ることもある。

安心感こそが何よりの「認知症の薬」だと思う。
副作用もなく、場合によっては安価で手に入る。

「いつも誰かが側にいる」ために家族や、また知人友人など地域の人が交代して無償で通ってくれるならば交通費程度ですむ。

それが期待できない環境だったならば施設入居に、または在宅なら保険内と保険外を組み合わせた訪問介護になるので高くつく。


「誰かが側にいることが認知症の悪化を防ぐ」というのを実感したのは、親が老健に入所した時だった。

二人部屋しか空き室がなかったのだが、当初は二人部屋に一人だった。

環境変化によるストレスもあってか、何回もナースコールしてスタッフに迷惑をかけていた。

それもつまらない理由だったり、理由も言えない時もあったらしい。
要するにスタッフの顔を見るためにだけ呼び出していたようだ。

ところが同室者が入所してくると、ぱたりと呼び出しが消えた。
同室者の入所は一ヶ月ほどあとのことだ。

とはいえ、この人が頼りになるというわけではない。同室の人もやはり認知症で、同程度に重度(要介護4)だったからだ。

施設スタッフによると同室者相互の会話は全くなかったようだ。
隣のベッドにいつも誰かがいる、ただそれだけだ。


何もしてくれないが、ただそこにいる。
それだけで人は安心するものなのだろうか。


ニホンザルチンパンジーなどのように、ヒトも本来は群れで暮らす動物だそうだが、今は「個の社会」となっている。

行き過ぎた個人主義と、伝統的な家族や地域社会のつながりの崩壊により「老人の孤立化」が進んでいるように思う。

それが認知症老人が増えた原因の一つになっているのでは?




<That's Ninchi Show 2 No.1240>