これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

認知症の人の「自立」は。。

認知症に対して多くの人が思い違いをしている。

それが世間とのズレの原因で、そのために認知症の人とその家族の実情を正しく理解してもらえないという状況となっている。

世間が思っているようなレベルでは全然ない。
もっともっと困難で、苦労が多く、悩みは深刻だ。

世間の理解が誤っているために、世間つまり周囲の人々(職場や居住地などの地域社会)からの関心や支援が極端に少ない。

それが「孤立」を生み「閉ざされた介護」に追いやる一因だろう。

家族だけで、それも多くが一人や二人という少人数の限られた人だけが「大きな責任を負って耐える」のが現状だ。

世間とのズレがはっきりわかるのは介護制度の介護認定の基準だ。
認知症介護の困難さを軽視しているように思える。

うちの親の例では認知症の初期なら要介護1という認定だった。食事も着替えもトイレも自立だからそうなるとしても、納得できない。

「自立」と判定されても、「一人ではできない」という状況だった。

たとえば、食事時間に「サ高住」の食堂に行くことができない。
何度教えても食堂への道順が覚えられず、たどりつけないからだ。

一人で着替えができることはできるが、外出時にパジャマを着たり真冬に夏服を着たりする。

自室のトイレに一人で行けるが、水を流すことや紙でふくことを忘れたり、手を洗うのも忘れたりする。

要するに「一人では何も満足にはできない」という状態だった。
これで要介護1とは納得がいかない。

介護度は「介護に要する時間、困難さ」を基準にしていて、身体障害は考慮されても、他のことはあまり反映されていないのだろうか。

ただ介護認定は地方自治体によって基準がまちまちだと聞く。

中には身体障害がなく全てにおいて「自立」していても、認知症精神障害を考慮して認定する自治体もあるそうだ。

厳密に言えば認知症を発症した時から本来の意味での「自立」はないように思う。一人にしておいたら満足にはできないから。

認知症の人のための特別な介護認定基準を作るべきだと思う。




<That's Ninchi Show 2 No.1219>