歯科診療、認知症の人に配慮を。。
歯科診療でも認知症加算があるのだろうか。
ネット検索すると、「歯科診療特別対応加算」というのがあった。
障害者や乳幼児など意思疎通の難しい患者を対象とするようだ。
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、歯科診療に際して家族などの援助を必要とする状態なら、
認知症の人も対象となるらしい。
なぜこんなことを調べたかというと、先週近所の歯科の診察室で認知症だと思われる人と隣り合わせになったからだ。
虫歯の治療らしいが、ものすごく手こずっている様子で、いつもより長く待たされている理由はこれだと納得した。
ご本人は耳が遠いのか理解力がないのか、先生の説明を全て付き添いの人(娘さんかお嫁さん)がやたら大きな声で繰り返していた。
「この金歯、虫歯になってるからもう使えないんだって」と付き添いの人が三回も繰り返していたが、無反応。
反応のないまま治療が再開されたのだが、歯を削っている最中に突然奇声を発して起き上がり、中断。
また再開するが、何回も咳き込んで中断。嚥下機能が弱っているのか気管の蓋がゆるんでいるのか、どちらもなのか。
歯科医の先生、相当苦労されているようだ。
こんなに時間をかけて他の患者と同じ診療報酬しか得られないとしたら、「認知症患者おことわり」とする先生も出てくるだろう。
数年前になるが、近くの大学病院の歯科に通院していたことがある。
待合室に車椅子の患者さんや付き添いの人が十数名もいて驚いたものだが、一般歯科の隣に障害者専用の歯科外来があるからだった。
一般の開業医では対応が難しいのだろう。
認知症は脳機能障害だから、障害者とは言われなくても治療においては障害特性に合わせた特別な対応が必要になる。
しかし、これから認知症の人が爆発的に増える時代に向って「対応が難しいから大学病院に行って」とは言ってられないだろう。
ご近所の歯科医院の先生にも、認知症の特性を学んでもらって、治療にあたっては特別な対応ができるようになってもらわないと。
少しも認知症を理解していないにも関わらず、料金だけが加算されるということでは困る。
認知症の人は不安感が極端に強い。普通の人なら何ともないような、ほんの少しの刺激でも過敏に反応することがある。
歯科の診療台で突然強いライトを浴びせるなどという、誤った対応をされたら「二度と歯科には行かない」と言い出すかもしれない。
不安感が診療拒否につながる。
安心できるように、少しだけ配慮してくれたらと思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1198>