これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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インフルエンザ予防接種、署名。。

またインフルエンザ予防注射の季節になった。

うちの親(85歳、胃ろうで寝たきり)は老人ホームに入所中なので、集団感染のおそれがあるから予防接種は必須だ。

この時期は毎年本人に代わって予防接種の問診表を書き、代筆者としてサインし、ハンコを押す。

もう何回目だろう。五回以上は確実だ。

認知症を発症した年は、まだ本人が一人で全てこなしていた。近所の医院に予約して、一人で行って問診表を書き、支払いも自分で。

その翌年ぐらいから、簡単な書類でも一人では書けなくなった。

質問内容が読み取れないのか、いちいち誰かに説明してもらおうとするし、答えもどう書いたらいいのか不安な様子だった。

自信を持って書けるのは名前だけのように見えた。
そのうち、名前すらあやしくなった。

名前も「お手本」がないと書けなくなった。
何十年も書いてきた自分の名前の漢字なのに。

そしてしばらくすると、「お手本」があっても書けなくなった。

「お手本」を見ながらマネするというのも、けっこう脳を使っているようで、認知症が進むと「まねをする」ことも難しい。

「お手本」を見ながらでも、正しく書けなくなる。
こうなると字を書くことから練習せねばならない。

本人の署名がいる時は、事前に何回も練習してもらう。
そうしないと、何箇所も書きまちがう。

練習しても、おそろしく下手な字になっていた。
発症前はそれなりにきれいな字を書いていた人が。

それでも自分で署名できていただけマシだ。

今では寝たきりで、右手は動くことは動くが、それだけだ。
字を書くことなどないだろう。

この時期になると毎年同じことを思う。

来年の今頃、また予防接種の代筆しているのだろうか。
もしかすると今年で終わりかもしれない、と。





<That's Ninchi Show 2 No.1199>