老人施設、家族に近い所を。。

やはり施設は家族が通いやすい場所に限る。

老人介護施設を選ぶとき、最も譲れないのが料金だ。

何年住むかわからないから、無理できない。

年金給付と公費補助が減り、介護保険や健康保険の自己負担が増えるという傾向もあり、その分の余裕を持たせる必要もある。

しかし、安いからといって自宅からも家族宅からも遠く離れた、町外れのへんぴな所を選ぶのはどうだろう？

我が家は何年も往復五時間の遠距離介護だったが、それと同じような「よけいな苦労」があると思う。

施設を選ぶには利用料金が第一条件だが、次に来るのは「家族が通いやすい立地」「家族や本人の家から近いこと」だろう。

近ければ毎日でも通える。

「家族の目」「家族の手」が多いほど施設の環境は良くなる。

また、災害時などの非常時に救援に行くことも可能だ。

先日のグループホームの洪水被害を見れば、職員だけでは入所者を守ることはできないとわかる。

「近隣住民の協力があれば」と言われるが、期待はできない。

近隣住民に開かれた施設であっても、お祭りや運動会などの催事に参加するのと災害時の救援とは話が別だ。

認知症の老人を守るのは家族しかいない。

避難の必要性や緊急性が理解できず、「嫌だ。どこにも行きたくない、寝る」と言い張り、暴れて抵抗する。

そんな老人を前に「ご近所の人」に何ができるだろう。

たたかれても蹴られても、「人殺し、たすけて」などと騒がれても、連れて逃げることができるのは家族だけだ。

先日の被害者の家族も、「もし自分が洪水の前に助けに行っていれば」と思っただろう。

家族が通いやすい距離にある施設を選ぶべきだと思う。

<That's Ninchi Show 2 No.1177>