これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症、精神障害も。。

精神病は一般には「精神の病気」だと理解されている。

しかし、精神(=心)は「あるようでない」もので、事実として(認識として)は存在するが、「これだ」とは言えない。

どこにあるとも言えず、「見える化」はできない。

「自分の心」は確実にあると誰もが確信しているが、実体はない。
抽象的な概念で、宗教的には「魂」や「霊魂」に含まれる。

実体のないものが、病気になるだろうか。

ウイルスや細菌で身体に不調が起きるのと同じように病気になる?
それは考えにくい。

「心は病気にならない。弱くなるだけ」
これは、ある精神科医日経新聞のコラムで書いていた言葉だ。

どうやら精神病ではなく精神障害と言うのが適切なようだ。
では、「心が弱くなる」とはどういう意味だろう?


ヒトの精神活動は脳の神経細胞の連携によるものらしい。その神経細胞ネットワーク上に「精神=心」があるとみていいのだろうか。

自分勝手な感情を抑制して理性的に行動するためには、「抑制する」という部分にネットワークが繋がっていないといけない。

その連携が弱くなったり断絶したりすれば、自分の感情を抑えることができなくなり、他人への思いやりもなくなるだろう。

認知症になった親が、「まるで我が子を我が子とも思わないような身勝手で冷淡な言動になる」のはこういう理由だろう。

あまりにもひどいので「心がどこかへ消えた」ように見え、異星人か異次元人に乗っ取られたかのように思うものだ。

認知症が「単なる記憶障害」だったなら、このようなことはない。

脳機能障害という大きなカテゴリーの中に認知症があるが、そこには同時に精神障害も含まれている。

日本では「家族による在宅介護」の比率が高いが、認知症の親を自宅で介護しようとする時、そこまで考えているだろうか。

認知症は単なる記憶障害にとどまらず、複数の障害が出てくる。

嗅覚・味覚などの感覚障害、睡眠障害精神障害、運動機能障害、摂食障害、各種の調節障害など多岐にわたる。

いわば「障害の百貨店」状態で、多重障害者というわけだ。

その上に、医師にたずねても「医師でもどこがどう壊れているのかわからない」ので、対応が難しい。

それほど難しいことを「家族による在宅介護」が担っている。

ほとんどの場合、周囲の理解も支援の手もなく孤立無援だ。
これが今の日本社会の現状だ。

医師も病院も薬も頼りにならない。

親戚も友人もご近所も、「大変ね」と心配してはくれるが、救いの手はなく、頼りにはできない。

このままでいいのだろうか。







<That's Ninchi Show 2 No.1167>