これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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入院時の認知症ケア、身体拘束は。。

入院時の「認知症ケア」加算というのがあるらしい。

今年度の診療報酬改定を見ていたら、そういう項目があった。
条件に合う病院に限られるのではあるが。

以前から「認知症専門ではない一般の病院でも、認知症の人の入院時に特別な配慮を」と願っていたので、一歩前進だと喜んでいる。

ところが、よく見ると「身体拘束」しても加算されるらしい。
認知症ケア加算の六割だそうだ。

身体拘束が「ケア」だとは思えない。鍵の付いた拘束ミトンや拘束ツナギなどの道具を使うだけだから。

身体拘束は「認知症だから点滴を外すので、その予防」ということで、介護では虐待だが、医療では「必要上の措置」となる。

ここに「特別な配慮」は何もない。「尊厳」もない。

「身体拘束をしないで、点滴ができる」ような配慮を願っていた。
それでこそ、医療機関での「認知症ケア」になると思う。

やはり家族が毎日通って点滴が終わるまで付き添うしか、身体拘束を避ける方法はないようだ。

医療では「認知症なら身体拘束」という現状を変えようという気がないように思える。

明らかに「虐待」だし、人としての尊厳を無視した方法で、常識的に考えたら「普通」ではない。

本人の気持ちなど、全く考慮していないようだ。

まさか、認知症だから身体拘束しても「わからない」とか「忘れてしまう」とか思っているのだろうか。



うちの親が「動くほうの手に拘束ミトンをはめられた」時のことを思うと、そうではない。

「これ見て」と拘束された右手を布団から出して、不安そうな顔で何か訴えようとしていた。

言いたいことが言えないから、よけいにつらいことだろう。

身体拘束は家族の同意が必要だ。「治療上の必要」だと言われ、しかたなく同意していると思う。

本人もつらく、それを見ている家族だってつらい。

親が拘束された姿を見たくないからと、病院に面会に来なくなる人だっているぐらいだ。

この問題、どうにかならないものだろうか。

<That's Ninchi Show 2 No.1163>


参考:
認知症ケア加算1> 14日まで150点 15日以降30点

(1) 対象患者は、「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」におけるランクⅢ以上に該当する者。
(2) 身体的拘束を実施した日は、所定点数の60%に相当する点数により算定

認知症ケア加算2> 14日まで30点 15日以降10点

(1) 対象患者は、「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」におけるランクⅢ以上に該当する者。
(2) 身体的拘束を実施した日は、所定点数の60%に相当する点数により算定。