これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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介護ストレス、量と質が異常に。。

ストレスには「質と量」という二方向がある。

同じようなストレスを受けても、ストレス反応は個人個人違う。
同一人物でも時と場合によってストレス反応は違ってくる。

その違いはどこに起因するのだろう?

一つには、ストレッサー(ストレスを与えるもの)の質と量によるらしい。認知症介護では認知症の本人こそがストレッサーだ。

ストレッサーが質的に異常な場合は、ストレス障害になる。
地震のあと、被災者が何年もPTSDに悩むのはこれに該当する。

介護では、認知症の人の暴力で「もしかすると殺されそう」と思うような恐怖感があった時などがそうだ。

ストレス社会と言われる現代に生きていても、自分の命が危ういようなストレスはめったになく、「異質」なストレスだと言える。

また、ストレッサーが量的に異常な場合は、心身症になるらしい。

心身症と一言で言っても種類は多い。ほとんどの病気は何らかのストレスが原因だが、主として精神的ストレスによるものを指すようだ。

胃潰瘍などの消化器系疾患、気管支喘息・蕁麻疹などのアレルギー疾患、また過換気症候群や高血圧、糖尿病などが代表的。

介護ストレスはどうだろう。自宅での在宅介護となると「一時的ではなく日常的」で、「突発的ではなく慢性的・持続的」だ。

毎日のことだから、量としては「異常に多い」と言える。

この状態で、介護を継続するのは大変難しいように思う。どうすれば心身症にならずに介護を継続できるのだろうか。

上手にできている人がいるからには何か方法はあるはずだ。

研究者によると、心身症になる人は「自分がストレスを受けていると気づいていない」ことが多いらしい。

自分のストレス反応を自覚することで初めて、ストレスへの対処法を考えるようになり、その実行によりストレス反応は終了する。

その「気づき」があるかないか、そこが分かれ道のようだ。

介護していると、気づいていても自ら気づかないふりをすることがある。「みんながガマンしているんだから、たいしたことない」とか、

「自宅介護している人は大勢いるし、自分よりも条件の悪い人だって多いから、この程度でストレスだと思ってはいけないんだ」と。

これは大きな誤りだ。

頭では「ストレスと思わない」でおこうとしても、身体では機械的にストレス反応が起こっているのだから。

「みんなが在宅介護しているから、自分も」というようなことは通用しない。それぞれにストレスの量と質とが違うことを思えば。

自分の「気づき」を無視しないことが、自分を守る道だと思う。


                                      <That's Ninchi Show 2 No.1156>