介護に慣れてもストレスは。。
介護ストレスは「軽いストレス」ではない。
認知症の人を介護する家族にとって、介護ストレスは毎日継続していて、途絶えることがない。よって慢性的にストレス反応が起きていると言える。
この状態が長期間に及ぶと、ストレス反応によって心身に不具合が生じ、介護の継続は困難になる。
ひどい場合はそれどころか、自殺や虐待などの悲劇に至ることにもなる。
ただし、同じように慢性的にストレスがあっても、それが軽い場合は「ストレスに適応」できるらしい。
ストレスの多い環境に適応して、ストレス反応を起こさなくなる。
いくつかの動物実験で、軽いストレスを慢性的に与えると「そのうちにストレス反応が出なくなる」ということが証明されているそうだ。
「ストレスの馴化」と言われている。
軽いストレスを継続的に受けていても、命にかかわるような危険はないとみなされたら無視する、そういう仕組みらしい。
ストレスの多い環境に適応して生存するためのメカニズムなのだろうか。
「適応力があれば耐えられる」また「慣れればたいしたことはない」として克服できるようなストレスはこういう軽いものを指すのだろう。
介護ストレスは決して軽いストレスではない。特に認知症の介護は。
だから、認知症の介護において「慣れたらストレスはない」「ガマンして耐えていればそのうちに何ともなくなる、平気になる」とは言えない。
「根性、気力」でどうにかなるものではない。
認知症の介護では「慣れてもストレス反応は起こる」わけで、それが長期的な介護を困難にする要因の一つだと思う。
自分では「慣れたから平気」と思うことがあっても、気がつかない内に身体や精神に不調が起きているかもしれない。
ストレスを与えるもの(ストレッサー)から離れない限り、ストレス反応は起こる。
その環境で自分を守るにはどうしたらいいか、そこが鍵だと思う。
<That's Ninchi Show 2 No.1150>