これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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サ高住、施設なのか住宅なのか。。

「サ高住」は施設ではなく、住宅だ。

外観は老人介護施設と同じに見えるし、必要があれば介護サービスを受けられるので、施設にいるのと「ほぼ同じ暮らし」ができる。

老人の中には施設だと思って住んでいる人もいるだろう。

どこに入居しようかと考えている時、一般の老人ホームとサ高住と「どこが違うのか」はわかりにくい。

どこが違うかというと、はっきりとした違いは介護保険サービスの料金。

介護保険で受けられるサービスの料金体系が違う。
サ高住は「訪問介護=在宅介護」料金、施設は「施設介護」料金。

在宅介護のほうが高く設定されているので、同じ条件であってもサ高住の入居者のほうが支払う料金は高い。

また、施設介護は「夜間も含めて24時間包括」という料金だが、訪問介護はそうでない場合がほとんどで、多くが昼間だけだ。

そこを補填するために「介護保険外サービス」が増えることになり、ますます介護費用が膨らむ。

そういうことは入居を考えている時に知らされているべきだが、どこのパンフレットにも詳しくは書かれていないことが多い。

「賃料は~円、要介護3なら、介護保険は~円で、食費~円、一ヶ月約二十万円で暮らせます」というようにしか書かれていない。

うちの親も以前はサ高住に入居していた.が、入居前には「老人ホームとの違い」はよくわからなかった。

実際に暮らしてみて、料金を払ってみてわかる。
「料金が払える」ことが第一条件だから、これではいけないと思う。

うちの親は「最後までここで」と願っていたのだが、料金の問題で老人ホームへ転居することになった。要介護5、胃ろうになった時だ。

「要介護5、寝たきり」の老人を連れての引越しは実に大変な作業だった。
最初から「終の棲家」になれる所に入居すべきだったと思う。

しかし、入居時は要介護1、そんな時にそこまで頭は回らなかった。

「胃ろうで寝たきりになったら対応できますか」とか「その時も予算20万円で暮らせますか」と管理会社の担当者にたずねておけばよかったのだろうか。

さて、「サ高住」の微妙な立場は医療費の扱いにも現れている。
介護サービスは「在宅」扱いだが、医療費はまた別、「施設」扱いだ。

医療保険では「施設に準じた」扱いとなり、訪問診療や訪問リハビリは「在宅」よりも安い料金で受けられる。

本人にとっては有難いのだが、訪問診療の先生にとっては違うようで、これを理由として「サ高住」の訪問診療をやめてしまう人もいた。

うちの親の主治医がそれだ。

一戸建てや一般のアパートに住む老人の訪問診療費と比べて何割も安いとなると、「サ高住」の訪問診療などやってられないのだろう。

「主治医がやめる」のと「介護保険外サービスの増加」と、この二つで「サ高住」に居られなくなった。

入居前にもっと深謀遠慮があったらと後悔したこともあるが、こんなことが予想できたとは思えない。

介護保険制度も高齢者医療保険制度も「ころころ変わる」から、予定も計画もそれに合わせて変更していかねばならない。そういうことだろう。

近頃は「住宅型老人ホーム」というのまである。

住宅なのか、施設なのか。住宅型というからには「住宅」なのだろう。
だが、「老人ホーム」と付くので、施設と同様に暮らせると想像できる。

しかし、将来的にはどうなのだろう。軽度の時はよくても、「住宅だから、重度になるとお世話できません」となるのだろうか。

「住宅」であるメリットは何なのか、そこを説明してほしいと思う。





             <That's Ninchi Show 2 No.1144>