これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の本人も家族も「自分らしく」あれば。。

家族も認知症の本人も「自分らしく」は可能だろうか。

誰もが「認知症になっても自分らしく穏やかに暮らしたい」と思う。
だから、介護する側の人(ケアラー)はそれをめざす。

施設では「ある程度可能」だが、家庭ではどうだろうか?

本人の「自分らしく」を尊重すればするほど、家族の「自分らしく」は消えてゆく。この二つは両立しにくいと思う。

たとえば本人が「自宅で暮らし、趣味の家庭菜園を続けたい」とする。

その時間家族は仕事に行っていて留守だが、「一人でご自由にどうぞ」というわけには行かない。何かあったら家族は責任を問われる。

家族の誰かが「仕事を辞め、自分の趣味もあきらめ、友人との付き合いも停止し、24時間見守る」ことになる。

この時、家族には「自分らしく生きる」現在は消え、それが何年も続くと「自分らしく生きる」未来も危うくなってくるだろう。

在宅介護は、どうしても不等式で表わされるのだが、それを等式にする方法があるかどうかを考えることが必要だ。

本人が自分らしく生きる>家族が自分らしく生きる  から、
本人が自分らしく生きる=家族が自分らしく生きる  というように

ある程度の妥協で、等式にできるかもしれない。

認知症の本人は「自分らしく」生きたいと思っていても、家族の人生を犠牲にしてまで「自分らしく」生きることは望んではいないはずだ。

少なくとも認知症の発症前はそうだろう。発症後はワガママであっても。

「本人が自分らしく、家族も自分らしく」という妥協点をみつけることができたらいいと思う。

家族が自分らしく生きていってこそ、本人も安心して暮らせるだろう。
そこにやっと「笑顔で介護」の日々が訪れるような気がする。




             <That's Ninchi Show 2 No.1140>