認知症介護、家族のイライラは。。。
認知症の人と一緒にいるとイライラする。
誰でも必ずイライラする。その原因は、認知症の特性に由来するので「病気だから、しかたない」ことだ。
世間や周囲の(認知症の人には関わらない、無関係の)人々は「病気だからガマンしてあげて。本人は悪気はないから」と言う。
言うのはやさしいが、実行は難しい。
「脳が壊れているからだ。認知症の本人に悪意はない」と知っていても、その発言や行動の結果は「悪」そのものだから。
被害を受けたという事実は「なかったこと」にはならない。
認知症の本人は家族には遠慮がないから、些細なことで騒ぎ出して、怒りのままに物を投げたり、けとばしたり。
信じられないようなきつい言葉で攻撃され、どなられ、「盗んだだろう」などと言われたほうの気持ちは「なかったこと」ではない。
どれだけきついかというと、ここまで言うと人間関係が保たれないという限界を平気で超えることもあり、耐え難いものだ。
そうなると、それを受ける側だって腹が立つ。憎しみすら覚える。
それをガマンして「笑顔で介護」などあり得ない。
そこまでの症状悪化がなくても、「同じ質問を何回も繰り返す」ことですら、家族はイライラするものだ。
「さっき答えたばかり、何回同じことを聞くの」と思いながらも、その都度初めて答えるかのように笑顔でやさしく丁寧に、
そんなことが毎回毎回できるものか。
そうすべきだとわかっていても毎回は無理だ。疲れている時や、時間に追われている時がある。
自宅で在宅介護している場合、家族は毎日このイライラや怒りをガマンして暮らしていかねばならない。
数日や一週間など短期的にはガマンできても、長期は無理だ。
世間には「家族による在宅介護が一番いい」と信じている人もいるが、そうではない場合が多いことを知らないからだろう。
認知症の人の在宅介護は、家族に毎日「イライラ・怒り」という自然な感情を抑制し、本人に合わせることを要求するものだ。
できるはずない。
それとも「できる人はできる」のだろうか?
<That's Ninchi Show 2 No.1131>