これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人の「ありのまま」は受け入れ難い。。。

認知症の人に寄り添う」のが、介護の基本だと言うが。

言葉は簡単でも実行するのは難しい。「ありのままを受け入れて、いつも傍らにいる」という、それだけでいいのだが。

それができる人が何人いるだろうか。容易なことではない。

認知症の人の「ありのまま」というのは、たいてい普通の人には受け入れがたいものだ。

非常識で、自分勝手で、ワガママしほうだい・言いほうだいで、時にはひどく冷淡・冷酷で、極端に感情的で、異常に執念深く、がんこ。

それらは「本人には何の非もない。脳が悪いからだ」と言われても、普通の人は「脳機能障害がどんなものか」を知らないから、

知っている人々(医師や看護師や介護士など)のようにはできない。

「なぜ言うことを無視するんだろう、何度も頼んでいるのに」と憤慨し、「また、できていない」と失望する。

「ありのままを受け入れる」ことができないと、次の段階の「いつも傍らにいる」ということもできない。

「ありのまま」が耐えられないから、側にいたくない。「ありのまま」を見ていたくないから、できれば逃げ出したいと思う。

逃げ出したいのに、誰も代わってくれる人がいない。

各自の条件によって違ってはくるが、これが介護ストレスの中核を成しているように思う。

認知症介護はある意味で社会問題だと言える。

認知症の人の家族や周囲の人々、近隣社会が「ありのままを受け入れる」ことができるなら、介護の問題は解決するだろう。

そうなれば理想的だが、現実的にはどうだろう?
できる人は限られてくると思う。

「いつも傍らにいる」ことが苦痛になっても逃れられない。逃げ場がないから、自殺や心中などの悲劇が起こる。

「ありのままを受け入れ、いつも傍らにいる」ことができない人はどうしたらいいか、その答えを研究者には追求してもらいたい。



                                <That's Ninchi Show 2 No.1119>